やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

初めての札幌ー台風・地震・中国人そして国際法学会と北大文書館(2)

大統領の私的人事としてパラオ国内で閣僚その他大勢から批判されてるパラオ政府代表。今回BBNJでファシリテーター役。 国際法学会でBBNJの日本政府アドバイザーを務める西本健太郎博士の発表があることを知って参加することを決めた。 BBNJ -国家管轄権外区…

「大日本(上巻)」ハウスホーファー 1913

ハウスホーファーの「大日本 (上巻)」(1913)。ヒトラーに影響を与えた本。 Dai Nihon - Betrachtungen über Groß-Japans Wehrkraft, Weltstellung und Zukunf (大日本の防衛力・世界的地位・将来) 1908−1909年、日本(京都泉涌寺近辺)滞在で書いた報…

再読 駄場裕司著『後藤新平をめぐる権力構造の研究』(追記修正あり)

頭山関連の書籍を3冊読んで駄場裕司著『後藤新平をめぐる権力構造の研究』を再読した。以前より面白く読めたし、少しわかるような「気」がした。 以下、当方の理解と想像。(追記修正しました) 右翼に分類される黒龍社は、玄洋社は、ロシアの、ひいては欧…

無鄰菴貸切読書の一日

京都に山縣有朋が造園家・小川治兵衛に作らせた日本庭園がある。山縣が別荘にした家屋もあり、1903年4月21日、山縣有朋、伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎が日露開戦を決定した洋館もある。 明治の歴史と東山を借景にした美しい庭。 この日本家屋の2階を丸一日…

『国家の崩壊』ロバート・クーパー(2009、日本経済新聞社)

EHカーの『ナショナリズの発展』を再度図書館に借りに行ったら隣にあった本である。10年ほど前に一度読んだ。著者は英国外交官でピアニストの内田光子さんのパートナーなんだよ、と知人が紹介してくれたのだった。内容は覚えていない。 序文の次に「日本語版…

パラオの中国人観光客は増えている!

グラフのタイトルを入れ忘れましたが、8月のデータが来たので速攻でグラフに。 今回は台湾も入れました。 中国人観光客、先月より増えています。あれだけ世界を騒がしたのに、、 昨年の同じ月と比べると約半分ですが。。 日本は横ばい。直行便がなくなったの…

海洋法条約の誕生と苦々しいパルド演説

1964年英国から独立したばかりのマルタ。その小島嶼国の大使が国連総会で4時間にわたる大演説を3年後の1967年11月1日した。 パルド演説 ー これが海洋法の流れを大きく変えたのだ。 この演説の記録を読んだ。感想は「???」なのだ。なんでこんな演説に世界…

『ドイツ植民地研究』栗原久定著 (読書メモ)4・5章

栗原久定著 『ドイツ植民地研究』の4、5章はカメルーン、東アフリカが紹介されている。 カール・ハウスホーファーを読むと彼が、ドイツ国民が第一次世界大戦で植民地を失った恨みがどれほど大きいがわかるのだ。その恨みがヒトラーを、ナチスを誕生させた…

『ドイツ植民地研究』栗原久定著 (読書メモ)

『ドイツ植民地研究』栗原久定著 日本が太平洋に関心を持った背景の一つに第一次世界大戦で、ドイツ領であった太平洋の赤道以北の領土を獲得したことがある。また日本とドイツは明治以降法学、医学、国家学などあらゆる分野で影響を受けただけでなく、長年に…

初めての札幌ー台風・地震・中国人そして国際法学会と北大文書館

昨日地震のあった北海道、札幌から新日本海フェリーの最後の一部屋を奇跡的に確保でき、京都に戻ることができた。 初めての札幌だった。北海道は知床や寿都など地方へのドライブ旅行しかしたことがない。 第一の目的は国際法学会への参加だ。指導教官の坂元…