やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ソロモン諸島台湾断交、転覆なるか? (2019.10.1)

9月16日、ソロモン諸島台湾断交してから2週間が経つ。 先日インド太平洋研究会では郵便学者内藤陽介先生をお招きし「ガダルカナル島の近現代史」を開催。日本のソロモン諸島理解に大きな一歩を示すことができた、と思う。 そこで、私も力を入れソロモン諸島…

中共フロント組織が操るグレタと気候変動、子どもの権利条約(追記あり)

国連の気候変動会議で涙の訴えをしたスウェーデンの16歳の少女。一体誰が彼女の参加をアレンジしたのか? ユニセフのウェブに書いてあった。 この会議に呼ばれたのはグレタだけでなく、世界から16名の子供が参加したのだ。太平洋からはパラオ、マーシャル諸…

気候変動はセクシーで10兆円は端金

小泉環境相にグリーンは金になる、おっと違ったセクシーよと教えたコスタリカ外交官、クリスティアナ・フィゲーレス女史 SNSで騒がれていた(いる?)小泉新次郎環境相のセクシー発言。 私が気になったのは新次郎環境相の隣に座ったコスタリカの外交官クリス…

安井郁ー大東亜国際法、原水協、チュチェ思想

カール・シュミットの「大地のノモス」解説の参考文献に安井郁著「大東亜国際法」があった。安井郁氏は国際法学者で、戦後は公職追放され、世田谷公民館館長に。ここでビキニ核実験を契機に原水協を立ち上げ、チュチェ思想の指導者となっていくことを、これ…

第4章 戦争の意味変化 ー 『大地のノモス』より

japan-forward.com 「先生、国際法知りませんよね。」 京大の新進気鋭の年下の教授に向かって喉まで出てきて引っ込めた言葉。ベルサイユ条約と戦争犯罪を議論していたのはカール・シュミットの『大地のノモス』だったような。思い出せなかった。思い出せても…

クリストファー・クラーク著『夢遊病者たち』読書メモ

歴史書である。小説ではない。 と自分に何度か確認する必要があるような小説のような内容である。上下2巻もあり分量も中身も濃く、目の前に色々差し迫っている今、集中して読めないので一旦返却することとした。 第一次世界大戦がどのように始まったかをヨ…

西平等『法と力』読書メモ

「先生、国際法知らないでしょ。」 喉まで出てきた言葉だが相手は10歳年下で、国際法が専門でもないが、京大の教授である。しかもその言葉を私が吐いたところで、私が国際法とは何かを理解しているかどうか自分自身疑わしいし、そもそも説明なんかできない!…

ソロモン諸島台湾断交をめぐる「法と力」

ソロモン諸島台湾断交を決定したソガバレ首相からその正式な理由が断交決定後3日目の9月20日に発表された。これは国際法の観点から非常に興味深い。奥が深い。中国人の国際法研究者が背後にいることが手に取るようにわかる。彼らは国際法は利用するものであ…

キリバス台湾断交と中国衛星スパイ基地と売春婦

キリバスは日本に支援をずっと要請してきたのである。日本は何もできなかった。米豪首脳会談に日本も参加すべきだ。中国の海洋権益だけでなく、中国宇宙軍に利するばかりなのだから。 ニュージーランドのマイケル・フィールド記者は、先日英国軍ラグビーチー…

キリバスのEEZと米国の安全保障

キリバスの台湾断交。あまりにも突然でニュースも出てこない。誰もこの動きを抑えていなかったのだ。それほどキリバスは世界から見放されていた、とも言えるかもしれない。 あれだけ、アノテ・トン元大統領が島が沈むと世界に訴えていたにも拘らず、だ。 キ…