やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

シュタイン『社会の概念と運動法則』読書メモ

マルクスが影響を受けたローレンツ・フォン・シュタイン。マルクスの共産党宣言にある「共産主義という亡霊」と表現したのはシュタインである。それもネガティブな意味で。 この事を、昨年聴講させていただいた阿川尚之先生のゼミで話したところ、整理して発…

ベルツー残された家族・花とトク

ベルツはドイツに戻ってから8年後、1913年に64歳の人生を終えた。 その翌年。第一次世界大戦はドイツと日本を敵国に。一人息子のトクはドイツ兵として参戦。未亡人となった花はなんと敵国人としてドイツで監禁される。その後日本に戻った花は、今度は日本政…

ベルツースパイ疑惑と森鴎外

ベルツの日記を読んでから、もう一度草津を訪ねたいと思っていた。 クローズドの日米英独安全保障会議に声をかけていただき、某国(日本ではない)の安全保障機関が京都から東京までの新幹線代を出してくれることに。上野から往復1万円の草津を再訪した。 …

ベルツ研究 資料リスト

ベルツの日記を読んで、草津温泉も訪ね、ベルツに興味を持った。当然ベルツ研究がされているだろう、と草津温泉図書館の本棚にあった本をいくつかめくってみた。以下いつか読みたいベルツ関連の資料だ。 『ベルツの生涯』近代医学導入の父 安井広著 思文閣出…

『国際法原理論』ハンス・ケルゼン(読書メモ1)

翻訳者の長谷川正国先生の「訳者あとがき」に惹かれて手に取ったケルゼンだが難しい! 長谷川先生の翻訳が悪いのか? ケルゼンの文章が悪いのか? はたまた私の頭が悪いのか? きっと3つ目であろうが、どうにか17ページ読み進めた。 「法の概念」である。 …

オーストラリア・ニュージーランドの経済政策が太平洋島嶼国を崩壊させる?

来日中のチャタムハウス、クレオ・パスカル女史は豪州、ニュージーランドの対太平洋島嶼国政策がまるでなっていないということを明確に指摘しました。2018年の彼女の記事です。 当時かなり話題になり、なんとロンドンで豪州高等弁務官事務所からトップ3名が…

『国際法原理論』ハンス・ケルゼン (読書メモ)

1881年 - 1973年。法学者は長生き? シュミットは少しだけ読んだ。ケルゼンはまだでどこから手をつけるべきか、読まなくてもいいか、迷っていた。 『国際法原理論』Principles International Law は2016年に長谷川正国教授が5年をかけて翻訳された本である。…

チャタムハウスのラウンドテーブル

まさかあのチャタムハウスの、まさかあのラウンドテーブルを まさかまさかのインド太平洋のテーマで、日本開催をオーガナイズすることになるとは思わなかった。 外務省外郭団体、国際問題研究所がドタキャンしたのだ。なぜだろう? 私はたった2週間で、人脈…

パラオ大統領の暗殺、自殺ーお花畑の外務省大洋州課のために

パラオが楽園である、というのは否定しない。 しかし、その政治は血にまみれている。 歴代の大統領は暗殺され、自殺した人もいる。自殺は暗殺ではないか、という噂も。 Haruo Remeliik初代大統領 1985年6月30日に暗殺 Roman Tmetuchlの親戚が犯人。空港には…

1901年以降のオーストラリアの国防政策

ハワイにあるアジア太平洋安全保障研究センター (The Daniel K. Inouye Asia-Pacific Center for Security Studies ー DKI APCSS)のジェレミー・ブラウン少佐が書いた6ページのオーストラリア国防政策。斜め読みして面白いと思いつつ、しっかり読む時間が…