やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

高坂正堯著「海洋国家日本の構想」ー3つのショック

『インド太平洋開拓史』を書きながら再読したい本が山ほどあった。本棚から取り出した本は何十冊とまだ棚に戻らずに部屋に散らばっている。 博論を書いた後に数百冊の本を処分して手元にあるのは死ぬまでとっておきたいと思った本だけだ。 読まずに、読めず…

パラオ共和国紀行(4) 豊饒の海・伝統の島々 「財界」2000年12月1日号より

パラオ共和国紀行(4)豊饒の海・伝統の島々 「財界」2000年12月1日号より 歌川令三 「青地に丸く、月を染めて」 パラオ・パシフィック・リゾートから眺める夕やけ パラオ共和国の国旗は、海に満月をあしらったものだ。日本の南洋統治時代、「白地に赤く日の…

パラオ共和国紀行(3) ペリリューの死闘を考える 「財界」2000年新春特別号より

パラオ共和国紀行(3)ペリリューの死闘を考える 「財界」2000年新春特別号より 歌川令三 七色の珊瑚礁のなかで ペリリュー島は、大小300余もあるパラオ共和国の島々を囲む巨大な珊瑚礁群の南のへりに位置している。南北約9キロ、東西3キロ、地図で見ると、…

パラオ共和国紀行(2) 南海の虹を追って・ 「財界」2000年新年特大号より

パラオ共和国紀行(2)南海の虹を追って・・・・・ 「財界」2000年新年特大号より 歌川令三 「ヴェジタリアン」の猛魚 マサオ大使 パラオ島に着いた翌朝、ホテルのPALAU PACIFIC RESORTのモーニングコールを合図にTVを付ける。東京からグアム経由四千キロの…

パラオ共和国紀行(1)"不思議の国"のマイ・ウェイ (My Way・in Wonder Island) 「財界」1999年12月7日号より

パラオ共和国紀行(1)"不思議の国"のマイ・ウェイ (My Way・in Wonder Island) 「財界」1999年12月7日号より 歌川令三 もはや「南洋」ではない 写真 左:田淵節也氏 右:ナカムラ大統領 「パラオに行かないか」と誘ってくれたのは、学徒出陣の元海軍中尉の…

The origin of Micronesia sub-regionalism movement

I tried to write Micronesia sub-regional movement in this blog and found interesting ADB report. Montague Lord, A Strategy for Micronesian Regional Cooperation, 1996 Quote from EXECUTIVE SUMMARY ... Cooperative arrangements for Micronesia …

サムライの南進、漁師の南進 ー『インド太平洋開拓史』

『インド太平洋開拓史』では「南進」を「サムライの南進」「漁師の南進」という切り口でまとめてみた。どうも戦争の南進ばかりが取り上げあげられ、それ以前の「南進」がほとんど無視されているような気がしたからだ。 維新で職を失ったサムライたちが何百万…

ヤップ州に中共の船を押し付けるApis運輸大臣

上記の記事によるとなんと、ヤップ州の知事が日本の船を希望しているのに、一切耳を貸さず、ミクロネシア連邦政府Carlson D. Apis運輸大臣は再び中国の船の贈与を決めてしまいました。 今年7月多くの(確か何百人)の学生を含む乗客を乗せた貨客船(中共政府…

ソロモン諸島、マライタ州独立に米国干渉?

Chad Morris of the Public Affairs and Economic Officer at the U.S Embassy 親台のマライタ州が米国から25億円もらうことに対し、米の内政干渉だとの批判が豪州のメディアから出ている。マライタの我らが水谷知事は独立の住民投票を提案しているからだ。 …

白石隆著「海の帝国」アダム・スミス、ラッフルズ

ラッフルズホテルとラッフルズは関係ないのだが、死ぬまでに一度は泊まってみたい。 白石隆著「海の帝国」は、ミクロネシア海上保安事業を2008年に立ち上げる時に、どのようなコンセプトで事業を進めればよいか、模索していた時に出会った本である。 「イン…