やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

島サミットにパプアニューギニアとフィジーが参加しなかったワケ

今回の島サミットに参加しなかったフィジーとパプアニューギニア。 両国とも中国との関係が深い。 中国に遠慮して参加しなかった、などという記事あったが何を根拠に書いているのだろう。 フィジーは、日本が首相ではなく外務大臣を呼んだので(フィジーの新…

CNAS Fifth Annual Conference: Cooperation and Competition: China and the Asia-Pacific

CNAS Fifth Annual Conference: Cooperation and Competition: China and the Asia-Pacific 昨年2011年6月に開催された会議。 ウォルシュ司令官が参加している。 こちらはテキストとビデオがある。 テキスト http://www.cnas.org/node/6542 ビデオ こちらは…

キーティング司令官の西太平洋における米中の利害関係

2009年と少し古いですが、太平洋分割案で登場するキーティング司令官、そしてミクロネシア海保案件のきっかけともなったキーティング司令官のインタビュー番組がありました。 日本が西太平洋の関わるかどうか、日本次第だ。って言ってます。 China and US in…

何を今更の「島サミット」(3)

対太平洋島嶼国の関係とは、即ち米国との関係ナリ。 これは財団に入った1991年、現場ですぐに実感した。 特にケネディの落し子みたいなPEACESAT事業に関わると米国の太平洋への関与がまざまざと見えるのである。 1991年は冷戦が終結し、米国がサーッと太平洋…

何を今更の「島サミット」(2)

太平洋島嶼国支援における、日米協力と海洋問題。 今回の島サミットで初めて取り上げられた。 「何を今更」との渡辺昭夫先生のコメントは「前進ではある。結構!」と続く。 ホントウにやっと前進、というかやっとあるべき姿になったのである。 実は、「日米…

何を今更の「島サミット」

第6回島サミットが5月25,26日の2日間にわたって開催された。 各メディアは「日米協力で太平洋に拡大する中国を牽制!」と勇ましいかったが、結果はメディアや一部の学者、政治家の想像とは違うものになったようだ。 当方の先生でもあり、2代目笹川太平…

Secretary Clinton Testifies on the Law of the Sea Convention

米国はUNCLOSにまだ参加していないんだった。 クリントン長官のtestifies, 米国が不参加の理由にあげて来た項目は悉く事実に即していない。年内に参加すべき。百利あって一害もない!と力説。 しかし、米国がUNCLOSに参加すると海底資源開発がすごい事になり…

我が家のドンマイさん

<我が家の母娘の会話 その1> 娘:ガーッシャーン! 母:「何やってるの!、だから言ったでしょ!よそ見しているから落とすのよ!両手で持ちなさいって何度言ったらわかるの!」ガミガミと2、3分はやる <我が家の母娘の会話 その2> 母:ガーッシャー…

考古学者とピアニスト

「ご主人は何を?」 「考古学者です。」 「まあ、ステキ。」 (何がステキなものか!) 考古学者を誤解している人が多いらしい。 そう言えば、トトロのお父さんも考古学者だし、映画にも考古学者が活躍している。 娘も父親が考古学者であると友人や先生に言…

Missing Link-Global nerve (GII) - Human Capability

ICT4Dの歴史的背景を追っている。 50年代から始まった脱植民地化と宇宙開発。 80年代、ITUが出したメイトランドレポート The Missing Link 90年代のゴア副大統領が推進したGlobal Information Infrastructure そして2000年のG8で発表された沖縄憲章、とWSIS…

皿洗い機の故障

我が家の皿洗い機が故障して、この数日は流しで昔ながらの皿洗いを楽しんでいる。 普段は機械がやってくれる、洗い→リンス→乾燥、という作業を娘とやるのは結構楽しい。 「お母さん楽しいね。」と娘も言ってくれる。 本当は洗った食器を置くカゴがあればそこ…

JICAのおじさんとサンダルの話

太平洋は広いようで狭い。 特に島を訪ねる人は限られていて、日本の援助関係者JICAやOFCFの方に出会う事が多い。 キリバスでJICA職員の方に出会った。シニアの男性で援助の思いを語ってくださったのだが、私にとっては唖然とする内容で、今でも忘れられない…

Pacific Maritime Domain

Dear All, I had a very intensive and informative visit to Australia in April focussing on future of Pacific Maritime. Let me share this with you. Firstly, the Australian government has agreed with the Senators Committee's recommendation in…

水菜、二十日大根、バラ

小さな庭があるので、家庭菜園に挑戦している。 いろいろトライしてみたが、二十日大根は虫もつかず必ず収穫できる。 下の写真は殆ど収穫した後の二十日大根。 取り立てをかじるとほのかな甘さと大根の辛みが新鮮で、娘も大好きである。 残った葉っぱや実は…

Her Majesty the Queen クイーンエリザベスが君主となる国

太平洋のツバル、パプアニューギニア、ソロモン諸島、そしてクック諸島、ニウエの君主にして私とお誕生日が同じで、しかも今は遠〜〜い親戚関係になったHer Majesty the Queen クイーンエリザベスII。 他にも下記の国々の君主であられる。忙しいに違いない。…

援助ー主権ー自由連合

自由連合協定とは何か。 後で(いつか)きちんと書きたいと思いますが、今日は朝からニューヨーク在住のフランシス・ヒーゼル神父とメールでディスカッション。 神父が昨年出したミクロネシアの経済に関する報告書とニュージーランドの法務省が出した報告書…

Satellite Network for the Pacific Islands – Pacific Commons

インターネットの父ヴィントン・サーフのコメント(キリバス)に触発されてコモンズの理論で太平洋衛星ネットワークを議論しようとしたペーパー案 Draft; 12 Feb 2009 Title: Satellite Network for the Pacific Islands – Pacific Commons Authors: Rieko H…

海底ケーブルとサンダルの話 memo

インドのテレセンター開発を、開発論で書いている知人に話したら大受けしたのが下記のエピソ−ド2「サンダルと開発」。 インドにはNGOや援助機関の人たちが作れ作れと唆し、テレセンターがタケノコのようにあるらしい。成功、失敗の議論以前に、このNGOや援…

アメリカの太平洋 太平洋のアメリカを知る資料

この数週間で読んだ「アメリカの太平洋、太平洋のアメリカ」を知る資料。 戦後の自由連合協定を中心に読み進めた。まだ読んでいないのもある。 目から鱗が落ちっぱなし。 とにかくアメリカの対太平洋政策はひどい。アメリカ人研究者自身が言っているんだから…