やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

在NZ日本大使館中井公使、ペン大学のディキンソン教授を正す(追記あり)

国際日本文化研究センターとオタゴ大学共催の会議が開催され、気になる発表があったので参加。 気になったのは南洋をテーマにしたペンシルバニア大学、フレデリックディキンソン教授(上の写真左)の発表だ。 なんか、欧米に都合の悪い情報を出さない。 例え…

トンガの保健支援 ー マリマリプロジェクト

太平洋は広くて狭い。 長年のトンガの友人の妹が日本の大学で博士を取り、現在トンガの保健衛生事業を主導している。 昨日と今日、太平洋の保健会議があってお会いした。 現在、日本の医療NGOの支援を受けて マリマリプロジェクト(日本語ではニコニコプロジ…

サイパンのカジノスキャンダル 地元委員会の反論

先週書いた、サイパンのカジノスキャンダル、たくさんのアクセスがあった。 サイパンのカジノスキャンダル - やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa このbloombergの記事に地元のカジノ委員会の幹部(Commonwealth Casino Commission executive director Edward…

読みたい本リスト(自分用のメモ)

自分用のメモです。 一冊の本を読むと、参考図書として数冊読みたくなる本が出て来る。FBにメモしておいてもどこに書いたかわからなくなるので、自分用のメモとしてここにリストアップしておきたい。 国際海峡 坂元茂樹著 条約法の理論と実際 坂元茂樹 新体…

BBNJとは何か?太平洋島嶼国の議論(4)

今日4つ目のブログだが、来週は古い友人のサモア国立大学学長やトンガの親友等等と久しぶりに会うのでちょっとがんばりたい。 スコットランド人海洋生物学者がまとめた太平洋島嶼国とBBNJの指南書の続き。 BBNJが太平洋島嶼国にどのように関係するのか?割…

太平洋気候変動センター ODA支援事業

日本のODAで建設されるサモアの太平洋気候変動センター 気候変動、あまり関心がない。 科学的に証明されたのだろうか? 海洋問題と並んで、気候変動でも、太平洋島嶼国は国際会議のスターの座にある。 海面上昇による被害者、小国が世界を動かす!ーという事…

サイパンのカジノスキャンダル

2017年オープン予定のサイパンのカジノ インペリアル・パシフィック サイパンの闇、については以前も書いた。 サイパンの闇の奥 https://yashinominews.hatenablog.com/entry/2015/06/11/070622 サイパンの闇の奥ーその2 https://yashinominews.hatenablog.…

パラオ大統領選のフォロー

250票差のパラオ大統領選。こんな接戦は始めてだという。 ホンマかいな?とウェッブサーフィンしたらウィキに記録があった。 ウィキなので信憑性は疑問だが、参考までにメモしておきたい。 接戦だったのは2008年216票差、2000年票数はないが4%差、1992…

BBNJとは何か?太平洋島嶼国の議論(3)

太平洋島嶼国のThe Marine Sector Working Group - MSWGが作成したこのテクニカルレポート、BBNJの2015年の決議へ向けた指南書ではないかと思える "The Pacific Islands and Biodiversity Beyond National Jurisdiction" を読みながらこのブログに書いている…

BBNJとは何か?太平洋島嶼国の議論(2)

BBNJのアドホックオープンエンド非公式ワーキンググループが設置されたのが2004年。 2012年のリオ20で、2015年までに実施協定を策定するかどうかを決める事が、合意された。 太平洋島嶼国のThe Marine Sector Working Group - MSWGが作成したこのテクニカル…

BBNJとは何か?太平洋島嶼国の議論(1)

BBNJに太平洋島嶼国がどのように関わっているのか? ウェッブサーフィンで見つけたテクニカルレポート。 "The Pacific Islands and Biodiversity Beyond National Jurisdiction: Briefing note of the Council of Regional Organisations in the Pacific mem…

トランプ次期大統領の対太平洋政策

パラオ大統領選は米国と同じサイクルで行われる。 米国の大統領選は意識して追っていなかったが、当然ヒラリーがと思っていたらトランプ氏の勝利。 ヒラリーであれば国務長官時代の太平洋政策を少し追っていたんので、何となく理解できると思い安心していた…

パラオ大統領選最終結果

パラオ大統領選最終結果、と言ってもまだ非公式の数字です。 現職レメンゲサウ大統領 5,109 スランゲル候補 4,854. レメンゲサウが255票差で逃げ切りました。 当初、レメンゲサウが優勢と伝えられていましたが、後半でスランゲルが追い込んで来ました。 スラ…

中国の脅威とは何か?<タンホールディングスとルエンタイの例>(追記あり)

タン少年 好評発売中の月刊正論12月号の記事を、正論編集部と協議している時に強く感じたが、うまく伝えられなかった事がある。 「中国の脅威」だ。 中国の脅威は知れば知る程、形が見えなくなる、そんな印象を受けている。 それは米国、英国の金亡者と、ま…

パラオ大統領選速報 (追記あり)

このブログは、どんな検索ワードでチェックされているかわかるのですが、ここ数日「パラオ大統領選」で検索される方が激増しています。 不在者票の開票が昨日から行われていますが、結果はまだまだのようです。 ただし、70−80票差だったのが、今朝の非公…

Guardian North 16 ー 蘇る日英同盟

www.youtube.com 10月中旬から11上旬、航空自衛隊三沢基地とその周辺で日英戦闘機共同訓練が行われた。 日英戦闘機共同訓練のお知らせ 英国大使館 2016年9月16日 https://www.gov.uk/government/world-location-news/announcement-raf-typhoon-aircraft-to-…

小堀桂一郎東京大学名誉教授の天皇象徴説その2

小堀桂一郎東京大学名誉教授が現行憲法の天皇象徴の部分が、新渡戸の本を参考にされている可能性を議論した記事を目にし、当方も同じ考えだったので、昨日はアドレナリンが全開状態だった。一晩経って、小堀教授訳詞のシューベルトのリートも歌って、冷静に…

小堀桂一郎東京大学名誉教授の天皇象徴説は私と同じ♬(追記)

パラオ大統領選を追いながら海洋問題、新渡戸や矢内原も読んでいるのだがブログに書く時間や気力がない。 そんな中、今朝ほど産経「正論」に下記の記事を見つけアドレナリン全開の状態となっている。 「天皇は国民統合の象徴」…その隠れた典拠を解く 東京大…

スランゲルジュニア

パラオ大統領選に立候補しているスランゲルジュニア。 あまりメディアに彼の公約とか出て来ない。というか、メディアが異常に静かである。 当方がパラオ語がわからず、認識していないだけかもしれないが、英語の彼のインタビューがあったのでアップしておく…

ナカムラ大統領復活!

ナカムラ大統領復活! と言ってもご子息のAric Mos Nakamuraがパラオ史上最年少の25歳でSenatorに当選した。 ナカムラ大統領今月で73歳。 25歳の息子? と疑問に思っていたところ、 ナカムラ大統領の長女の息子さんを養子にしたのだそうだ。 ナカムラ大統領…

ワシントン条約を巡る環境NGOの象牙保護プロパガンダ(続き)

ワシントン条約を巡る環境NGOの象牙保護プロパガンダに関連し、産経新聞の偏った記事を紹介させていただいた。 産經新聞の象牙の記事 - やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa その後、この件で情報交換をさせていただいている、横浜国立の松田教授と岩手県立大…

バヌアツ、米国沿岸警備隊とシップライダーズ協定締結

パラオ大統領選を追っていて、なかなか他の国の事(それとBBNJや新渡戸の植民論の事も)が書けないのだが、昨日バヌアツが国沿岸警備隊とシップライダーズ協定締結をしたニュースが流れていたので紹介したい。 今月号の雑誌正論の寄稿した文章の中にも書いた…

パラオ大統領選結果

昨日午後、パラオ大統領選開票結果が発表された。 これに海外の不在者投票が来週開票されるので、最終結果ではない。 レメンゲサウ候補 4108 スランゲル候補 4030 現職レメンゲサウ大統領が78票差で逃げ切った。 予備選の不在者投票数を見てみよう。 レメン…

パラオ大統領選速報はFacebookで

パラオ大統領選速報はFacebookでフォローしています。 https://www.facebook.com/rieko.hayakawa.7 昨晩の開票途中結果では、スランゲル候補が1832票、と現職レメンゲサウ大統領の1667票より165票差をつけてリード。 本日10時から開票が再開しています。

お魚は枯渇しない?

太平洋の海洋問題を扱う中で、水産資源が枯渇する、そんな情報に接する事も多く、漁業問題もなんとなくカバーしてきた。 水産資源保護派、東京海洋大学の勝川氏と、水産資源と漁師さん両方の保護を目指す水産庁、さらにはプロパガンダNGO の欧米の環境団体な…

パラオ大統領選まで後3日!

ここ数日はパラオ大統領選を追って、眠れない夜が続き、身も心も疲れ果てている。 島嶼国の選挙なんか近づくものではない、という事を感覚的に察知していた。だから今までは百歩くらい距離を置いていたが、今回は業務命令で仕方なく、目の前で情報収集する事…

パラオのインターネットギャンブルー日本と英国が引き金?

パラオのインターネットギャンブルをウェッブサーチしても余り情報は出てこない。 パラオ金融監査局からの非公式協力要請も来ているし、オールジャパンでパラオのインフラから安全保障を支援しているので、この闇の奥は気になる。 しかもADBの30億円で施設…

雑誌「正論」12月号にミクロネシア海上保安事業を寄稿しました

雑誌「正論」12月号(11月1日発売)に、いつもこのブログに書いているミクロネシアの海上保安事業について寄稿させていただきました。 現在ブログへのアクセスは毎日千頁前後。毎日100人〜200人の方が訪れて下さっています。 その一人が、正論編集部の小島…

パラオ大統領選で飛び交うリーク情報

11月1日のパラオ大統領選。相変わらずリーク情報が飛び交わっている。 その中でも気になるのが、台湾漁船の違法操業を大統領の指示で見逃している、というリーク情報だ。 早速地元メディアに聞いてみた。 メディア「そんな話聞いてないわ。誰から聞いたの?…

パラオのパワーポリティクス

パラオの大統領選を追っていて見えてきた、同国の伝統的なパワーポリティクスがある。 現在大統領を競っているのは、現職のレメンゲサウ大統領と、レメンゲサウ大統領の妹と結婚し、普段であれば同じ派閥で共闘するスランゲルジュニア氏である。 ドイツ、日…