やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

未来に魚を残そう

馬鹿の一つ覚え ー 水産庁叩き(1)

<諸悪の根源、水産庁!> 世界のお魚が減っているのは日本の水産庁のせいなんです! 資源管理に無為無策な水産庁! 漁師への補助金ばかり予算を確保し、本気で水産業を育てようとしない水産庁! 資源枯渇が叫ばれている矢先、補助金で更に多くの魚が取れる…

ディカプリオが守るマグロとオラウータン

レオ、お願いだから目を覚まして! 俳優としてのレオ•ディカプリオファンとしてはもう見ていられない様相になってきました。 日本を訪ねたレオ•ディカプリオはパラオの後か前、インドネシアに入っていた。 そこで、熱帯林保護活動とそこに住むオラウータンな…

ディカプリオとレッシグ

ディカプリオは俳優として好きだし、彼が選ぶ映画も好きだ。 しかし、今回のパラオの海洋保護区の件は気が重い件である。 彼の両親はヒッピーだったらしい。 税金をなるべく払わず、自分の信じた事を進める。なんとなくわかる。 ここで再度見たのが、ローレ…

ディカプリオの租税回避とナショナルトラスト

英国の国土、3分の一を所有する貴族の租税回避スキーム、ナショナルトラストが、広大なEEZを保有する小島嶼国の海洋保護区基金に応用されている事を知り、この税制がどうなっているのか?気になった。が、英文で税制関連の資料を読む勇気はない。 和文で見…

レオディカプリオと租税回避、と水産資源(追記あり)

新聞ニュースになったのでこのブログに書きたい。 映画のプロモーションで、中国、日本を訪問していた俳優レオ・デカプリオがお忍びでパラオに入っていた。 現地メディアの知人からは、日本の天皇皇后両陛下の訪問の時より情報が厳しく制限されているとのこ…

米国漁業使節団報告書 ーその1

以前より読んでみたいと思っていた「米国漁業使節団報告書」(1949)。 資料は金沢八景の近くの辺鄙な場所にある、水産総合研究センター「中央水産研究所」にあった。 この報告書の中で、日本を負かした、原爆を落したばかりの米国政府は日本の水産業に喝…

米国水産行政における海洋環境プロパガンダNGOの存在

東大出の官僚を相手に仕事をするのは不思議だ・・ 笹川平和財団の羽生会長と寺島常務。そして水産庁元次長で現在水産総合研究センター理事長の宮原正典氏である。 こういう東大出は心から尊敬し、感謝しています。 宮原正典氏に当方も色々お伺いしたい事があ…

世銀へのアドバイス

漁業資源管理のABCがわかっていなさそうな世銀に日本の外務官僚がアドバイスした話を前回書いたが、勿論実際にアドバイスされた内容は当方の素人見当とは全く違う専門的な内容である。 それでご本人に確認したところ、世銀にアドバイスされた内容とお名前も…

世銀がミスリードする漁業資源管理

第5回太平洋ツナフォーラムがフィジーで9月22−23日開催された。 ミクロネシア連邦のカツオ漁船拿捕事件、環境テロリスト組織シーシェパードや環境プロパガンダ組織PEWのおかげで魚の事に日々詳しくなっていくような気がしている。 それで、下記のフィ…

PEWの食い物にされるパラオ

<政策とは過程なりーMPA議論> パラオの海洋保護区の事が気になっている。 レメンゲサウ政権の命取りになっているからだ。 興味深いMPAチェックリストを見つけた。 海洋保護区をどのように協議すべきか、という内容だ。 まさに政策とは過程なり。結果ではな…

グリーンピースは西瓜だった。

「目を背けてはいけない、太平洋マグロ漁船で働く人々のありえない話。」 2015-09-03 国際環境NGOグリーンピース http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/53981/?utm_campaign=Oceans&utm_source=facebook&utm_medium=post&utm_term=03091…

参議院での太平洋クロマグロ議論(3)

平成27年5月21日の参議院農林水産委員会での舞立議員がクロマグロについて質問する前に、民主党の徳永エリ議員がこの問題を取り上げていた。下記メモだけです。 この問題に関心のある人には興味深い内容だと思います。 クロマグロを巡る議会での議論、も…

参議院での太平洋クロマグロ議論(2)

徳永議員の「正直私たちは誰が言っておられることが正しいのかよく分からないんですね。」 は全く同意である。 学者も意見が分かれる、メディアや国民は一次データを調べられるわけでもない。学者が右と言えば右か、左と言えば左か、と受け止めてします。 加…

参議院での太平洋クロマグロ議論(1)

参議院で太平洋クロマグロがこんなに議論されているとは知らなかった。 記録だけ。 参 - 農林水産委員会 - 9号 平成27年05月21日 ○舞立昇治君 (前略) 続きまして、本日のメーンテーマでございますけれども、これも火曜の徳永議員が取り上げたテーマと同じ…

ミクロネシア連邦日本カツオ漁船拿捕の顛末(続き)

2008年、ミクロネシア海上保安事業を立ち上げようとした時の米豪の反応が忘れられない。 クリストファー・ヒル国務次官補 「日本が海洋監視活動?この前日本漁船が捕まったばかりだよ。まあ頑張ってね。」 豪州在ミクロネシア連邦大使 「日本漁船拿捕のため…

ミクロネシア連邦日本カツオ漁船拿捕の顛末

年明け、読売新聞に掲載されたミクロネシア連邦日本カツオ漁船拿捕の件。 ミクロネシアの地元紙には、日本漁船から多額の示談金を締め上げた事を、英雄物語のように書かれていた記憶があるが、その顛末は誰も書かないで、皆が密かに語っている。 ミクロネシ…

パラオ政府ベトナムの違法漁船を燃やすーその4

パラオ政府がベトナムの違法漁船を燃やした件。 なぜか何もしていないPEW が自分の手柄のように書き立てているのが気に入らない。 なぜかこの正真正銘の密漁船(正式登録している日本漁船ではなく)を発見した日本政府ー水産庁と外務省が何の広報も声明も出…

パラオ政府ベトナムの違法漁船を燃やすーその3

前回書いた「パラオ政府ベトナムの違法漁船を燃やす」は大きな反響があり、サイパン、ミクロネシアの裏の世界を初めて知った、というコメントをいただいた。 本当はこのブログに書きたくないし、本当の裏は書けない。 ギリギリのところで書いている事をご理…

パラオ政府ベトナムの違法漁船を燃やすーその2

昨日ブログにあげた「パラオ政府ベトナムの違法漁船を燃やす」大きな反響があり、いつもは300−800のアクセスが2500近くまで行った。 面白い裏話、と評価されたようだが、こんなの裏話ではない。 裏話は、財団幹部と外務省、水産庁幹部に送らせてい…

海軍が護るマグロ

こんな米軍の船が太平洋の公海でマグロを護るという口実で展開。実際に漁業資源を護っているのかは未確認 今回の島サミットの見所がマグロである事を以前書いた。 そしてそのマグロが豪州王立海軍に太平洋でのレゾンデートルを与え、米太平洋司令軍(PACOM)に…

島サミットと漁業問題

島と海のネット総会で声をかけてくださった産経新聞、佐野慎輔特別記者とは10年以上前に、確か一度お会いしている。 今回声をかけていただいたのは、明確な下心があったそうである。 いただいたメールには 「60の手習いで、クジラやウナギ、マグロ問題と豪…

Global Ocean is Swarming with Money 海洋に群がる大金 (2)

<想像を超えるチャイナマネー> 当方の中国に関する認識は主に笹川陽平のブログに頼っている。その中でも官僚の汚職の規模をリストにされているのだが、この金額がすごい。 約30年間で外国に逃亡した汚職幹部は約4000人。着服金総額は約500億ドル(約4兆400…

違法操業の犯人は太平洋島嶼国?

<違法操業の犯人は太平洋島嶼国? 最初にこの事に気づいたのは、水産庁前次長宮原正典氏の下記に引用した講演のコメントである。 「まぐろを巡る国際問題」から引用。 http://fsf.fra.affrc.go.jp/open/kiro/pdf/kouenmiyahara.pdf 「ところで、IUU、IUU と…

違法操業取締の実態

昨日書いた、パラオでのベトナム漁船の逮捕。 違法フィリピン漁船もそうだが、当然ながら登録していない。 入漁料なんか払っていない。 しかも、パラオにベトナム、フィリピンの大使館はない。 そうすると、パラオ政府がこれらの漁師の宿、食事、着替え、健…

マグロ フェティシズム(マグロを無闇にありがたること)

国宝 片身替茶碗 銘「不二山」 備忘録である。 マグロ フェティシズム(マグロを無闇にありがたること) いつから日本人は、また世界の人々はこんなにマグロをありがたく思うようになったのであろう? マグロ、マグロ、と騒ぎだしたのは、確かバブルの頃だっ…

The Mega Sanctuary and the Navy can not protect Tuna, but the fishermen from Iki Island with a population of 28k can

(only draft) As I learn about fish, especially Tuna, I found that neither the Mega Marine Sanctuary which the PEW is promoting, nor the Navy can not protect them, with confidence. By the Navy I mean the Royal Australian Navy who has implem…

巨大海洋保護区も海軍もマグロを守れないー守ったのは人口2.8万人の壱岐の漁師さん

ステテコおじさんのトラウマもあって漁業問題は避けて来たが、海洋問題を扱うようになっていよいよ向き合う事となった。 資源枯渇の対応策、IUU対応策も色々みてきたが、魚の事を知れば知るほどPEWがやっているようなメガサンクチュアリーでは、少なくともマ…

水産庁の取締船白竜丸、White Dragon

世界が注目する日本の水産庁の取締船。 55億円をかけた取締船がの造船が予定されている。平成26年10月までに完成させる予定(1) でも上記のYoutubeでは7月2日の進水式になっているのでもうできたのかもしれません。1600トン。 来年度予算は13…

海底探査機 "Sea Dragon" の違法操業監視?

先にメモだけ。 今日から開催のPIF総会。テーマは「海」である。 そしてパラオは違法操業監視に向け、無人飛行機、無人船舶、色々チャレンジしてきた。 今度は海底探査機のようだ。その名も"Sea Dragon" http://www.tsc.com/News.htm Special Program Effort…

海を守る2つのレポート「劣化から再生へ 世界の海洋のレスキューパッケージ」「公海から世界を豊かに」

Misson Ocean 笹川太平洋島嶼国基金の三代目運営委員長(*)でもある、海洋政策研究財団の寺島常務理事のブログ「海洋政策は今 寺島紘士ブログ」で海を守る新たな2つのレポートが報告されている。 一つは寺島常務が川口順子氏と共に共同主査となって昨年5…