長年捕鯨問題では日本支持を表明し、日本にとって頼もしい国パラオが、今年になって不支持に回る、と言い出し、大騒ぎになった。
鯨だけではない、サメも保護、観光客からグリーンフィーなる環境税も取り立て、パラオは一躍環境保護の先頭に立ったかのようだった。
今回のオーストラリア出張では海洋専門家ばかりにお会いしたので、立ち話で
「パラオは鯨不支持に回りましたね。」と振ってみた。
「何言ってるんですか?IWC総会ではパラオは日本に投票しましたよ。」
「えええ!」
まずはオーストラリアが反捕鯨のロビーイングに来たのだそうである。パラオ政府はしばらく態度を保留。指示しない、とコメントしたとたん日本の援助ミッションがやってきた。
パラオは日本、オーストラリア両方から援助を勝ち得たのである。
ヤラレタ!
「途上国では当たり前の行動様式ですよ。」
そうだ島人の二枚舌、三枚舌は承知していたはずであった。
"ナイーブ"なのはこちらである。
(文責:早川理恵子)