2010年1月に予定していたクリントン長官の太平洋訪問はハイチで地震が発生したために訪問先ハワイで延期となった。
それから10ヶ月、10月28日クリントン長官は再びハワイを訪れ、米国のアジア太平洋へ向けたエンゲージメントについてスピーチをした。
この10ヶ月で世界の景色は大分変わったであろうし、米国の外交政策にも変化があったはずだ。スピーチの内容も以前より具体的なところまで突っ込んでいる。
米国の中国への姿勢も興味深い。中国はゼロサムの手法を取ろうとしようとしている、と指摘。それは米国の趣旨とは違う、と明言。負けだ、勝ちだ、と議論している尖閣諸島で揺れる日中関係を思い興してしまう。
それでは米国が目指している中国関係とは何か?
“working together to chart a positive, cooperative, and comprehensive relationship for this new century.”
東アジアサミットの結果を見ると、言うは易し、行うは難し、のようだ。
海洋安全保障に関しては東アジアサミットでの協議を期待していると述べ、豪州とは太平洋の複雑な海洋問題について協議したい、としている。
そして、クリントン長官はなぜ国務長官が国防のことまで述べるのか、米国は3D即ちDefence, Diplomacy, Developmentをいっしょに進める姿勢だからである、と説明。
豪州訪問が11月6―8日。クリントン長官のこのミッションのメインである。ゲーツ国防長官も合流する。
どのような協議がされるのか興味深い。
なぜならば、日本財団、笹川平和財団が11月11日にパラオで開催予定の「ミクロネシア海上保安会議」は日米豪+ミクロネシア3国が参加するからだ。
米豪の関係強化の中で日本の立ち位置をしっかり固めて行かなければならない。
スピーチ フルテキスト
America's Engagement in the Asia-Pacific
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