やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ウェリントン宣言 ー 世界一平和でクリーンな国の選択

 2010年11月4日、ニュージーランドの首都ウェリントンを訪問したクリントン国務長官は、米国とNZの協力枠組み『ウェリントン宣言』を発表。

  その内容は、

1.太平洋の問題について協力して対処すること。

2.大臣レベルの定期会合を開催する。

3.政治的軍事会談を開催する。特に軍事共同訓練を強化したい、とクリントン長官は述べている。そして

4.共同科学研究として南極でのエネルギー開発事業を実施も含まれる。

 

 米豪NZの3カ国のANZUS条約は1951年に締結されたが、1984年非核法を成立させたニュージーランドが核兵器搭載艦艇の寄港も拒否したためアメリカはニュージーランドへの防衛義務を停止。

 昨年ニュージーランドは世界一平和な国に選ばれている。

 

 しかし、2001年以降、米国とNZは、自然災害、テロ対策等さまざまな分野で協力関係が強化されつつある。最近、アフガニスタンで若いニュージーランドの軍人が命を落としている。

 

 右左で大雑把に分けてしまえば、米国がブッシュ、豪州がジョンと右寄りの時、ニュージーランドはヘレン・クラーク率いる労働党政権と左寄りだった。現在は米国がオバマ、豪州がギラード(労働党政権)の左に傾いている中、NZはキリスト教右派思想を持つキー首相となっている。

 永井陽之介流に言えば、世界どころか、アジア太平洋にも影響を与えないが故に影響力を持つ小国の在り方としてgoing my wayを行くニュージーランド。

 

 今年もニュージーランドは世界一クリーンな政府に選ばれた。