やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

島嶼国のリーダーと温暖化

島嶼国のリーダーと温暖化

 

「なぜQ大統領は急に環境、環境と言い出したのだろう?」

久しぶりのポナペで、世界最大の環境NGOで働く友人に聞いた。

 

「それは、世界が注目するからだよ。小さな太平洋の島国が経済の話をしたって誰も関心を持たないけれど、島が沈むとか魚がいなくなる話は世界中が反応するんだ。」

 

そうか。

 

温暖化を騒ぎだしたのは環境NGOだったと思う。確か90年代半ば。

私も講演会に呼ばれ、温暖化より逼迫した問題がある、と期待されないコメントをして不評を買った。

その頃はまだ太平洋島嶼国では温暖化や島が沈む、という話はほとんど聞かなかったし、誰も関心を示さなかった。

2005年頃だろうか?温暖化が島嶼国の主要アジェンダとなったのは。

世界が注目するしODAにもつながる。

 

どちらも島にとって良い事ではある。

問題はこれらのベクトルがいかに離島やコミュニティの人々に裨益するかである、と友人と遅くまで語り合った。

 

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