やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

【速報】パプアニューギニアに新首相誕生

【速報】パプアニューギニアに新首相誕生

 

本日、パプアニューギニアに新首相が誕生した。

南高地出身の Peter O'Neill 氏である。

1975年に独立した同国を支えてきたグランドチーフ・マイケル・ソマレ閣下は現在シンガポールで入院中。6月に引退を表明していた。

パプアニューギニアには太平洋島嶼国の中でも人口も多く、資源が豊富でAPECの唯一のメンバーになっている。

 

日本との関係も深い。

ソマレ閣下の自伝『Sana』に日本の支援が詳しく書かれている。

日本の震災には破格の支援金PGK10 million (US$3.9 million)を拠出してくれた。

日本のこれからのエネルギー資源、天然ガスの提供国でもあり、同国との投資協定の国会審議が始まるところだ。同国の天然ガスは日本のエネルギーの5%を支えるという。

 

しかし、暗雲も垂れ込める。

週2便の直行便がPNGと日本とつなげていたが、この8月に水曜便が廃止決定。さらに土曜便も廃止の動きがある。

パプアニューギニア海域はマグロ資源も豊富で、日本向けの空飛ぶマグロの準備がされていたところに大きな打撃。国営エアニューギニの日本直行便はソマレ閣下の強い要望で実現した。

現在のエアニューギニ会長は華僑。パプアニューギニアへの中国の進出はクリントン長官も心配しており、キャンベル国務次官補の訪問にもつながった。

日本の食とエネルギーを支えるパプアニューギニア。新首相の下で日本との関係はどうなっていくのか?