太平洋島嶼国支援における、日米協力と海洋問題。
今回の島サミットで初めて取り上げられた。
「何を今更」との渡辺昭夫先生のコメントは「前進ではある。結構!」と続く。
ホントウにやっと前進、というかやっとあるべき姿になったのである。
実は、「日米協力と海洋問題」は、昨年当方から外務省に提案させていただいたテーマである。
外務省大洋州課飯田課長が日本財団笹川陽平会長に面談された際に、笹川会長から当方の意見を聞くようにアドバイスをされたのだそうだ。それで連絡をいただいたので、提案させていただいた。
実は、外務省への助言は初めてではない。2000年の島サミットでは、同じく笹川会長にアドバイスを求めにきた当時の大洋州課課長宮島昭夫さんも、笹川会長から早川に聞け、と言われてご連絡をいただいた。その後宮島さんからお礼、ということで白山のフレンチレストランにご招待いただいた。外務官僚に奢ってもらったのはこれが最初で最後だ。こういう人は出世する。
なぜ今まで米国の参加がなかったのか?
島サミットは当初よりPIFとの共催である。PIFに豪NZは入っている。米国は入っていない。
で、なぜ、PIFなのか?
PIFは日本政府の公式対話相手組織である。
そして以前このブログで説明した通り、PIFは1992年から延々2006年まで、日本のプルトニウム海上輸送に対する非難声明をその年次総会で決議してきた。
島サミットの一義的な目的はプルトニウム輸送にあった、と私は考えている。それが証拠に1997年から3年置きに開催されている島サミット開催中に電気事業連合会の主催で太平洋首脳を招いた会食会、原発施設視察、そして10億円のPIFへの基金設置があった。これらのアレンジは外務省外郭団体の国際問題研究所がやっていた。同研究所の会長は電事連会長でもあった故平岩外四氏である。
プルトニウム海上輸送による”海洋汚染”の可能性に対する島嶼国からの非難声明を回避するためのサミットであった。海洋環境、海洋安全保障をテーマにあげる事は矛盾する。
それでは、なぜ今回の島サミットから「日米協力と海洋問題」が議案にあがったのか?
もう今回からロビー団体である電事連関連の事業はないそうである。
3.11ー福島原発事故が島サミットの、すなわち日本の対太平洋島嶼国政策をあるべき姿に変えたのである。
今回のサミットは大きなターニングポイントである。飯田課長の役割は大きかった。
至る所、米豪島嶼国で飯田課長の評価は高い。私は直接聞いている。
何を今更の「島サミット」、もう一回続きます。
次回はなぜ米国なのか。キャンベル国務次官補も言っているように中国への牽制ではないよ。