やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

米国が非核国ニュージーランドを拒否

米国が非核国ニュージーランドを拒否

環太平洋合同演習ーRIMPACがホノルルで開催されている。28年ぶりに参加したニュージーランドの艦船がパールハーバー入港を拒否され、ホノルルの観光地にある港に停泊している。

パールハーバーには真珠湾攻撃をした日本を含む国々が入港している。

次の22カ国から、25、000人、42の戦艦、200の航空機が参加。

US, Australia, Canada, Chile, Colombia, France, Indonesia, Japan, Malaysia, Netherlands, Peru, Republic of Korea, Singapore, Thailand, India, Mexico, Norway, Philippines, Russia and Tonga.

米国国防省のパネッタ長官とニュージーランド国防省のコールマン大臣はこの1週間前に協力の合意文書にサインをしたばかりであった。

また、今回の措置は米国からの正式な通知ではなく、前の週に出たハワイのニュースでニュージーランド政府は知った。

理由はニュージーランドが非核を支持する国で、原子力船の入港を禁止しているからだ。

ニュージーランドは1987年、核持ち込みを拒否し、米豪NZの安全保障枠組みANZUSを事実上反故にした。しかし、近年は米国との軍事交流は盛ん、アフガンへの参加では若い軍人が命を落としている。

キー首相は米国はニュージーランドを受け入れる、と別の主張をしている。

PM plays down Pearl Harbour snub

http://tvnz.co.nz/national-news/nz-ships-banned-pearl-harbour-video-4955228

US-NZ military training ban to be reviewed

キャンベル国務次官補がNZが合同演習に参加できるよう見直すと言っております。

http://tvnz.co.nz/national-news/us-nz-military-training-ban-reviewed-video-3051648

NZDF to participate in largest international maritime exercise

http://www.voxy.co.nz/politics/nzdf-participate-largest-international-maritime-exercise/5/128012

核を支持しないと米国はお友達なってくれないってことでしょうか?

キー首相の発言が食い違っているのは、米国の(多分国防省国務省?)の間で意見の相違があるからでは?若しくはパネッタ長官とペンタゴンの巨大官僚組織の間で。

中国が喜びそうなニュースではある。当地ニュージーランドでは、一部の米国嫌いが勝利を感じているだけで、意に介せず、と言った反応。

それにしても米国はラロトンガ条約を知っているのだろうか?

「太平洋の世紀」を唱っているのに、心配だ。

追記:自分でこのブログに書いていて忘れていた。少なくともクリントン長官とオバマ大統領はラロトンガ条約を支持。やっぱり課題はペンタゴンの巨大官僚組織のようだ。

オバマ大統領 ラロトンガ条約批准に向け動く [2011年05月06日(Fri)]

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/341