やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

豪州のエアパワーが太平洋のお魚を守る!?

シーパワーというのがあるからエアパワーというのもある。

5月3日のロイターのニュース。

アフガン、イラクに展開していた豪州軍はもっと身近のインド洋太平洋に焦点を合わせ、今後そのエアパワーを強化。新たに100機のLockheed Martin Corp F-35 Joint Strike Fighters購入する、という。

"Australian military to boost air power to focus on Indo-Pacific"

http://in.reuters.com/article/2013/05/03/lockheed-fighter-order-idINL3N0DK00Q20130503

これがF-35 Joint Strike Fighters。何やら物々しい飛行機である。

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冗談で豪州の知人、友人に「一体誰をアタックするの?違法操業?」とメールを出したら、冗談でもないようなニュースを見つけた。

南太平洋国防大臣会議がトンガで5月1日から開催された。

この会議で豪州政府が、2018年に終了するPPBP代替案としてエアパワーの試行を提案している。下記引用参照

参加国はオーストラリア、ニュージーランドパプアニューギニア、トンガ、チリ、フランス。オブザーバーで米国と英国が参加している。来年2014年はフィジーが開催国になり(選挙が順調に行けばの話だが)バヌアツがオブザーバー国として招待される予定。

この違法操業監視のエアパワーがF-35 Joint Strike Fighters、とは書いていないが、その可能性は否定できない。

<引用>

"Australia will also support regional maritime security by holding a regional aerial surveillance trial with Pacific Island countries and provide equipment to the Forum Fisheries Agency to strengthen the capacity of the Regional Fisheries Surveillance Centre in Honiara."

<引用終わり>

”Pacific Defense Ministers Favor Joint Military Exercises

‘Povai Endeavour’ to help coordinate operations”

http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2013/May/05-07-14.htm

この外に、5月1日のニュースで豪州のAerosondeが作った無人偵察飛行機の400機目がめでたく納品された、とのニュースもある。多くは米国向けのようだ。

"Aerosonde delivers 400th Unmanned Aerial Vehicle" Wednesday, 01 May 2013

http://www.premier.vic.gov.au/media-centre/media-releases/6643-aerosonde-delivers-400th-unmanned-aerial-vehicle.html

こちらの無人飛行機は元々気象観測用に開発され、法執行分野、SARにも応用されるという。豪州ビクトリア州にあるの会社だが米国Textron Inc.傘下にある。

米豪同盟と軍産複合体

まったく見えない世界だが、太平洋の広大な海洋管理に無縁ではないようだ。

さあ、日本はどうするか。