やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

「紙のカテドラル」その2

先週訪ねたクライストチャーチにある紙のカテドラル。

ニュージーランド人に見て来た事を伝えたら、「そう。」と言って口をつぐんでしまう。

なんか変だな、鯨が原因か?と思ったらこのカラテドラル、コントロバーシャルなカテドラルなんだそうだ。

どのようにコントロバーシャルなのか?

まずは教会が市や信者の意見を無視して進めた事。

加えて市が年間の維持費(約2千万円)を供出拒否。

そして、議員が教会を最高裁に訴えた。理由は古い聖堂を閉鎖する事を教会が勝手に決めたから。

日本人が関わったから、とか、紙だから、というのが理由ではないようなのでホットしたが、復興の美談、というわけもなかったようで残念である。

それにしても古い聖堂を建て替えるには、資金も時間もかかるだろうから、仮設聖堂を受け入れてもいいのではないか、と思うがどうでしょうか?

日本のお寺や神社だったらどうであろうか?被害の規模も、経済力も日本とニュージーランドは違うので簡単に比較できないとは思うが。

復興、みんなの意見が合致する、ということはなかなか難しいのだろう。

追記

坂茂氏が制作した紙の教会は震災後の神戸にもあった。

こちらは募金一千万円で後はボランティア。クライストチャーチの方は総額4億円位かかったそうだ。この金額も教会を批判する要因の一つであるという。

神戸の紙の教会は、2005年震災のあった台湾に寄付されたという。