4月7日来日予定のトニー・アボット、オーストラリア首相の動向を調べていたら興味深い記事が見つかった。
南オーストラリアの選挙を目の前にし、アボット首相が米国からドローンの購入を決定した事を発表。南オーストラリアに対しドローンの管理運営のために100ミリオン豪ドル以上のインフラ投資が、そして新たな職も生まれる、という朗報。モチロン選挙対策。
Defence to buy Triton unmanned aerial vehicles to be housed at Edinburgh
MARCH 13, 2014, THE ADVERTISER
New drone fleet will deliver $100m boost to South Australia, Abbott says
the guardian, Thursday 13 March 2014
選挙対策もありますが、この南オーストラリア、12月のホールデンの現地生産撤退に続き、2月にトヨタの撤退がアナウンスされ、1万人以上の失業者が生まれると言われている。しかし、アボット政権打つ手なし、という窮地に追いつめられた背景もある。
過去10年、鉱山産業が好調で、製造業が伸びず、豪ドル高も加わって輸出産業が痛手という典型的オランダ病のオーストラリア。トヨタ撤退の後はドローンがとって替わろうというのか?
自動車産業がなくなれば守るべき産業ではなくなり、自動車関税の廃止もあり得る。豪州は日本から年間1兆円程度の自動車を輸入している(ウロ覚えです)。現在詰めに入っている日豪EPA交渉の牛肉関税とも関係して来る。
自動車と牛の駆け引きにドローンが登場、という構図だろうか?そしてこのドローンが太平洋の違法操業監視に?もしそうであれば、興味深い構図だ。
但し、豪州は国防予算も含め国家予算が縮小される中で、数千億円単位のドローン購入費をどうするかまだ見通しは立っていないようだ。中国からの鉄鋼需要がこれ以上伸びない事もあり、豪州の鉱山業は頭打ちとのこと。
まさか、ドローン購入を日本に負担しろ、なんて事はないでしょうが。。
以前何度か書いた、オーストラリアの鉄鋼王にしてビリオネラーさんのドローン。パラオの違法操業監視を巡る話題作りには役立ったと思うが実効性はゼロ、と当方は判断している。ネガティブな情報はあまり出せませんが、ポジティブな面を言えば、”無差別殺人”のレッテルを貼られているドローんが広大な太平洋の海洋監視に役立つかもしれない、という人々の理解と関心を引いた事であろう。
追記
キャンベラのASPIがこの1月から無人偵察機関連で多くのペーパーを出している。多分今回のアボット首相の決定と関連しているのだろう。ざっとしか目を通していないが、前向きな内容だと思う。軍事関係も無人機もまだまだよくわかりません。
The decline in USAF fighter capability and the unmanned future
8 Jan 2014
By Malcolm Davis
http://www.aspistrategist.org.au/the-decline-in-usaf-fighter-capability-and-the-unmanned-future/
Towards an unmanned air combat capability (part 1)
30 Jan 2014
By Peter Layton
http://www.aspistrategist.org.au/towards-an-unmanned-air-combat-capability-part-1/
Towards an unmanned air combat capability (part 2)
10 Feb 2014
By Peter Layton
http://www.aspistrategist.org.au/towards-an-unmanned-air-combat-capability-part-2/
Drone strikes in a multipolar world
17 Feb 2014
By Rosalyn Turner
http://www.aspistrategist.org.au/drone-strikes-in-a-multipolar-world/
Unmanned aerial systems—where to for Australia?
10 Mar 2014
By Katherine Ziesing
http://www.aspistrategist.org.au/unmanned-aerial-systems-where-to-for-australia/