やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

皇室と太平洋

天皇皇后陛下のパラオ訪問。

実は皇室は以前より太平洋島嶼国に特別のご関心をお持ちであるように見える。

色々なところから情報があるがこれはここには書けない。

しかし、宮内庁の下記ホームページにその事を示す資料があったので、島嶼国の部分をリストアップしてみた。そして最後に集計し、分析もしました。

 

国賓のご接遇

http://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/shinzen/hinkyaku/kokuhin.html

 

1969 ナウル国大統領夫妻

 

1973 トンガ国国王トゥポ四世王妃両陛下

1983 トンガ国皇太子トゥポウトア殿下

 

 

<大喪の礼>と思われる

1989 ナウル国大統領

1989 バヌアツ国大統領夫妻

1989 トンガ国国王トゥポウ4世王妃両陛下

1989 西サモア国元首タヌマフィリ2世殿下

1989 ミクロネシア国大統領夫妻

1989 フィジー国大統領夫妻

 

 

<1990 今上天皇即位の礼>と思われる

1990 西サモア国元首タヌマフィリ2世殿下

1990 キリバス国大統領夫妻

1990 フィジー国大統領夫妻

1990 マーシャル国大統領夫妻

1990 ミクロネシア国大統領夫妻

1990 ナウル国大統領夫妻

1990 トンガ国王女ピロレヴ殿下,同夫君

 

1992 ミクロネシア国大統領夫妻

1994 ナウル国大統領夫妻

1994 フィジー国首相夫妻(公式実務)

1994 トンガ国皇太子トゥポウトア殿下

1995 ミクロネシア国大統領

1996 パプアニューギニア国首相

1996 パラオ国大統領

1996 マーシャル国大統領夫妻

 

 

<1997 第1回太平洋島サミット>と思われる

パラオ国大統領,

キリバス国大統領

マーシャル国大統領

ナウル国大統領

ミクロネシア国大統領

クック諸島首相

トンガ国首相

フィジー国首相

ニウエ首相

バヌアツ国首相

ソロモン国首相

 

1999 ミクロネシア国大統領夫妻

1999 パラオ国大統領

 

 

<2000第2回島サミット>と思われる

パラオ国大統領夫妻

キリバス国大統領夫妻

ミクロネシア国大統領夫妻

マーシャル国大統領夫妻

サモア国首相

ニウエ首相

ツバル国首相夫妻

フィジー国首相夫妻

パプアニューギニア国首相夫妻

クック諸島首相夫妻

バヌアツ国首相

トンガ国王子(首相)ウルカララ同妃両殿下

 

パラオ国大統領夫妻(公式実務)

 

2001 キリバス国大統領

2001 ミクロネシア国大統領夫妻(公式実務)

2002 フィジー国首相夫妻

 

 

<2003 第3回島サミット>と思われる

フィジー国首相夫妻

マーシャル国大統領夫妻

パラオ国大統領夫妻

サモア国首相夫妻

トンガ国王子(首相)ウルカララ同妃両殿下

バヌアツ国首相夫妻

ソロモン国首相

ニウエ首相

パプアニューギニア国首相夫妻

 

2003 マーシャル国大統領夫妻(公式実務)

2005 パプアニューギニア国首相(公式実務)

2005 サモア国首相夫妻

2005 ミクロネシア国大統領

2005 マーシャル国大統領夫妻

2005 パラオ国大統領夫妻

 

 

<2006 第4回島サミット>と思われる

パプアニューギニア国首相

マーシャル国大統領

パラオ国大統領

ミクロネシア国大統領

キリバス国大統領夫妻

ナウル国大統領夫妻

サモア国首相夫妻

ニウエ首相

ツバル国首相夫妻

バヌアツ国首相夫妻

クック諸島首相

トンガ国首相夫妻

 

2007 キリバス国大統領夫妻

2007 ミクロネシア国大統領

2007 ツバル国首相夫妻

2008 トンガ国首相

2008 マーシャル国大統領夫妻

 

 

<2009第5回島サミット>と思われる

ニウエ首相夫妻

キリバス国大統領夫妻

ミクロネシア国大統領夫妻

ナウル国大統領

マーシャル国大統領

パラオ国大統領夫妻

サモア国首相

パプアニューギニア国首相

クック諸島首相

トンガ国首相

ツバル国首相夫妻

ソロモン国首相夫妻

バヌアツ国首相夫妻

 

2011 トンガ国国王陛下

 

 

<2012 第6回島サミット>と思われる

クック国首相夫妻

キリバス国大統領

ミクロネシア国大統領夫妻

パラオ国大統領夫妻

ナウル国大統領

マーシャル国大統領夫妻

サモア国首相夫妻

ニウエ首相夫妻

バヌアツ国首相夫妻

トンガ国首相夫妻

ツバル国首相夫妻

ソロモン国首相夫妻

 

2014 マーシャル国大統領夫妻

 

 

上記のリストを集計。国ごとの謁見回数と各国の独立年。

 

13 トンガ王国

13 ミクロネシア 1986 (2.15)

12  マーシャル諸島 1986 (2.33)

10 パラオ 1994 (2)

8 キリバス 1979 (4.375)

8 サモア 1962 (6.5)

7  ナウル 1968 (6.571)

7 フィジー 1970 (6.285)

7 バヌアツ 1980 (4.857)

6 パプアニューギニア 1975 (6.5)

6  ニウエ 1974 (6.66)

5 ツバル 1978 (7.2)

5 クック諸島 1965 (9.8)

4 ソロモン諸島 1978 (9)

 

<分析>

ミクロネシア3国が圧倒的に多い。しかもこれら3カ国は独立が太平洋の中で一番遅い。即ち短期間に多く謁見されていると言う事である。

トンガ王国との関係は、皇室外交の側面の他にトンガが形式的は植民地となった事はなく1970年から謁見が始まっている事も考えると、やはりミクロネシア3カ国が皇室にとって特別であるのではなかろうか。

()の数字は、各国の独立後の年数を謁見回数で割ったものである。やはりミクロネシア3国が2年に1回の割合で接遇されており他国との違いが明確である。

その次がキリバス、バヌアツで4年に1回。後は6−9年に1回の割合である。

太平洋のど真ん中に位置し、広大な海洋を抱えるキリバスは地理的にはミクロネシアに属するので何となくわかるが、英仏共同統治の背景があるバヌアツが多いのが意外であった。

 

こういう数字資料は日ミクロネシア関係を説明する時に役に立つ。

 

なお出張先での作業で、見過ごし、計算間違い等々あるかもしれません。どなたかダブルチェックしていただけると幸いです。