やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオ レメンゲサウ大統領訪日(2)違法操業

日本記者クラブでのレメンゲサウ大統領の講演。

「ここで明確にしておきたい。日本漁船が一番法を遵守しており、このような漁業活動は海洋保護区制定後も歓迎したい。」

"Let me take this opportunity to say that of all the fishing companies in Palau the Japanese fleet is by far most law abiding. It is this type of fishing companies who will be welcomed in our fishing zone."

下記のビデオ23分30秒頃の発言である。

この部分を豪州、特に環境団体に聞かせてやりたい。

日本の水産庁関係者や漁業関係者もこの大統領の発言は喜んでいるのではないだろうか?

日本漁船の違法操業に関して当方は格別な思いがある。

ミクロネシア海上保安事業。まだ海洋問題も、水産問題も何も知らないで始めた2008年。以前にも御紹介したが各国、特に豪州の反応は酷かった。

在FSM豪州大使「日本が海洋保護活動ですって。それじゃあ、日本漁船の違法操業取締のために、ミクロネシア警察に日本語を教えたどうかしら」

クリストファー•ヒル国務次官補「日本の違法操業が先月捕まったばかりですねえ。まあがんばってね。」

ミクロネシアの水産行政関係者「日本が違法操業監視をするなんて。」

(意訳してありますが、ほぼこんな反応でした。)

何も知らなかった私の当時の感想は「日本って、日本漁船って、そんな悪者だったの?やっぱり水産方面はなるべく避けよう。」だった。

ところが、この数年で違法操業の実態、豪州の海洋管理、特に違法操業監視はあってなきがごとし、である事を知った。

2008年の時点で知っていれば、言い返してやったのに口惜しい。

この問題、捕鯨にも通じるように思う。

豪州NZは日本の漁業活動が太平洋で展開する嫌なのだ。日本を追い出すために、若しくは管理するために太平洋島嶼国のEEZを設定したと言ってもよいのではないだろうか?

前のブログにも書いた。でも繰り返したい。

この状況を知れば、PIFの議長でもあるパラオの大統領が、日本のリーダーシップ、特に海洋管理への貢献を期待した上記のコメントは深い意味がある。