やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

オバマ大統領タスクフォース違法操業・不正水産品撲滅行動計画発表

バヌアツのサイクロンPAM、チューク、ヤップの台風Maysakを追いながら、はやりパラオの件は気になっていた。 そんな中、「オバマ大統領タスクフォース違法操業・不正水産品撲滅行動計画発表」の記事が3月15日付けで出されているのを見た。 これを受けて、ミクロネシアの米国大使館やUSCGが動き出しているのだ。 Combating Illegal, Unreported, and Unregulated Fishing and Seafood Fraud DIPNOTE, POSTED BY DAVID A. BALTON MARCH 15, 2015 http://blogs.state.gov/stories/2015/03/15/combating-illegal-unreported-and-unregulated-fishing-and-seafood-fraud 太平洋にメガ海洋保護区を制定すると昨年発表したオバマ大統領。まさかここにも海洋保護区が入っているのだろう?とドキドキしながら読んだが、海洋保護区の「か」の字も書いていない。 昨年のケリー長官の様子を見ると、国務省もデカプリオまでもがPEWに丸め込まれているようだったので少々不思議に思ったがこのタスクフォースには商務省も入っているのである。 記事には
 − a win for fishers, fish, and consumers. ー 漁師、お魚、そして消費者の勝利を目指して!
とある。 PEWではないのだ。即ち環境保護原理主義者の姿が消えている。 カワイイ鮫さん、鯨さん、海豚さんを守りましょう、ではないのだ。 記事には米国水産業が2013年には5.5 billion USD、およそ6千億円の利益を生み出し、5千万人以上の雇用を世界で生み出し、 さらには数十億の人々の食料となっている事を強調している。 これもPEWのプロパンガンダ路線とは全く異なる。 米国も流石にプロパガンダに気づいたか? では、メガサンクチュアリでなくどのようにして漁業資源を守るのか。 TPPを含む国際協定やPort State Measures Agreement ー寄港国措置協定強化の2点をあげている。 シツコイようですが、メガサンクチュアリではありません。 加えて不正取引を防止するためのトレイザビリティーの強化も。 これであれば、日本の水産行政とも一致し、日米の協力分野が多くなるであろう。 私は島サミットの事を言っているのである。 そして、このタスクフォースの行動計画を受けて、ミクロネシア諸国の関係者を集めた会合が米国大使館や沿岸警備隊、米国海軍も含めキックオフされたのであろう。 そして、これが本来のミクロネシアと米国の自由連合協定の関係であるようにも見れる。

On March 17, 2015, a multi-lateral conference was held on Guam regarding increasing Illegal, Unregulated and Unreported...

Posted by US Embassy Koror on 2015年4月7日