やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

オニール首相オーストラリアの御雇い役人を全員解雇

昨日、オーストラリアとパプアニューギニアを駆け巡ったニュース。

Papua New Guinea to ban foreign advisers claiming they could be spying, make local staff lazy

ABC News 30 July 2015

http://www.abc.net.au/news/2015-07-31/png-prime-minister-bans-foreign-advisors/6661946

オニール首相が、数百人いるオーストラリア人のアドバイザーを今年末で解雇すると発表した。

理由は2つ。

オーストラリア人がスパイをしている。

オーストラリア人専門家に頼ってパプアニューギニア人がだらけてしまう。。

 

パプアニューギニアは1975年、オーストラリアから独立したが、関係を維持して来た。

現在毎年500億円位の援助をオーストラリアから受けている。その中に数百人の豪州専門家の費用も入っている。

policing, law and justice, treasury, planning and health の分野で働く豪州人を解雇、とのこと。

何かあったのであろう。オニール首相が切れるような何かが。。

今日の時点で豪州政府からのコメントは出ていないが、現在フィジーからもPIFから出て行けと言われている豪州。その態度のでかさ、人種差別的対応は当方もイヤという程観察してきたのでオニール首相やバイニマラマ首相の気持ちはよくわかる。

しかし太平洋島嶼国でフィジー(人口約80万)、パプアニューギニア(人口約7百万)と言えば中心的存在である。

 

豪州の力が、質量とも後退しているという事だ。(イヤ、前進してないという表現の方が正しいかも)

これも対岸の火事では済まされない。問題は、その隙間にに誰が入ってくるか、だ。

パプアニューギニア、フィジー、そしてトンガだけが太平洋島嶼国の中で軍隊を持つ。

日本との軍事交流も活発化している、と噂では聞いているが。。