やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

お薦め図書『太平洋探検史ー幻の大陸を求めて』エティエンヌ・タイユミット著

何を知ってるか、という事より、どこに書かれているか、誰が知っているか、を知っている事の方が重要だと思っている。

よって千葉大学付属中学校の詰め込み式教育は早々に辞退した。

太平洋に於ける西洋の航海と植民をまとめた本で『太平洋探検史ー幻の大陸を求めて』というのがありお薦めです。

Taillemite, E. 1987. Sur des mers inconnues Bougainville, Cook, Laperouse.

ヨーロッパの太平洋航海と植民の歴史には、一般的にジェームスクックしか出て来ないのだが、フランス人のブーゲンビルやラペルーズも重要なんですよね。。特にブーゲンビルなんか、ルソーに間違ったタヒチ情報を与え、自由人とか高貴な野蛮人という幻想を抱かせ、フランス革命にも。。。

そこら辺の事もしっかり書いてありますが、文字は少なめ、貴重な地図やスケッチが多い。

著者はフランス人のエティエンヌ・タイユミット。

仏文書館名誉監督総監。ブーガンヴィル航海日誌刊行、フランスの海洋辞典刊行にたずさわる。

フランス航海史委員会元委員長。フランス海洋アカデミー会長

仏語だがwikiもある。

https://fr.wikipedia.org/wiki/Étienne_Taillemite

残念ながら太平洋の歴史が文字で残されたのは、この西洋人の航海と植民からである。

よって本当は英語とフランス語(ドイツ語も)が読めると便利だと思う。