上地さんの『新石垣空港物語』に、白保案が崩れた背景にサンゴ保護が浮上した事。そしてそのサンゴの重要性を指摘したのが1983年に石垣を訪ねた米国の海洋学者、キャサリン•ミュージック博士である事が書かれている。
このキャサリン•ミュージック博士は辺野古の基地反対運動にも関与しており、ケネディ米国大使に抗議の手紙を書いている。
拝啓 ケネディ大使様 「大浦湾、一緒に潜ろう」
2014年5月8日 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-224941.html
キャサリン•ミュージック博士が指摘したサンゴは、環境庁を動かし(同書89−90頁)、1992年のWWFのエジンバラ公来島(111-112頁)にもつながる。
石垣の空港問題は最初漁業権を巡る地元の問題だったのが、これで一機に国際的環境問題となった。
確か80年代というのは、開発と環境保護が盛んに議論された時期だったのはないか。
パラオの、太平洋島嶼国の海洋問題を扱うようになってこの「海洋学者という活動家」に多大な疑問を当方は持っている。
博士号は取っても学者としての研究ではなく、活動家として、科学的見地(事実かどうかが問題だが)を利用しているのだ。
同書にはクストーの事も出て来る。クストー氏も学者ではない。フランス海軍で第二次世界大戦に参加。スキューバダイビングを発明した。しかし、開発やサンゴの専門家ではない。
太平洋で有名なのが、ハイエルダールで、太平洋の人々は南米から来たという理論を展開。コンティキ号の実験と共に世界的に有名になった。
しかし彼は功績のある軍人であり、探検家でしかない。
この”コンティキ号理論”は「学術的」に否定されている。(証明した一人が日本人考古学者の篠遠喜彦先生)
残念ながらメディアや大衆が興味を示し信じるのは、地味で真面目な研究者の成果ではなく、こういう人々の言論なのである。
<追記>
須賀次郎さんというリサーチダイバーの方のブログに興味深い空港問題と白保のサンゴの話があった。上地さんの本にも出て来る白井祥平さんは白保のサンゴの価値が低いという評価をしたため、御用学者というレッテルを貼られたようである。
石垣空港問題を巡るさまざまな見方がある、という事だ。
もう一度石垣島白保(1)
http://plaza.rakuten.co.jp/sugajirou/diary/200610090000/
サンゴの保護