やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

『一に人 ニに人 三に人』近代日本と「後藤新平山脈」100人

『一に人 ニに人 三に人』近代日本と「後藤新平山脈」100人、

後藤新平研究会編 藤原書店

を手に取った。

後藤新平が人をイデオロギーや地位で差別せずいかに大事にしたか、ということがよくわかる。

「開発論」「教育論」につながる、内長性(Endogenous)という言葉が出て来る。(下記参照)

『処世訓』にある記述だ。

後藤新平の孫、鶴見和子氏の『内発的発展論』はもしや後藤新平のこの思想が原点なのではなかろうか?

内長性(Endogenous) は、開発論の中で、ダグ・ハマーショルド財団の「もう一つの発展」でも取り上げられている。

もしかして、現在議論されている開発論、特にアマルティアセンの潜在能力と後藤新平の開発哲学は繋がっているのではないだろうか?

<参考資料> 

内発的発展論の現実化に向けて」若原幸範, 社会教育研究 = Study of Adult Education, 25: 39-49, 2007

http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/20398/1/39-社会教育研究25.pdf

「最も神聖なる法律は我が心中にあり、それは何ぞや、人々は尊重すべき自然性を有っている、内長性(Endogenous)あることである。教育はその内長性を開発することに他ならず、この内長的自然性の本源なる自我は神聖である。

ーわれ万物のなかにあり、万物われの中に存す。」

(『処世訓』)同書17頁