やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオ大統領選公開討論会

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9月末の大統領予備選挙へむけた4候補の公開討論会が8月17日パラオで開催された。主催したのはパラオメディア協会とパラオ短期大学である。

メディアと高等教育機関が積極的に選挙の公正さを促進した事自体、大きな事件であろう。

始めての試みではないか?

 

さて、この討論会気になっていたがパラオ語で一切解らず諦めていたところ、地元のDet CarreonジャーナリストがABCのインタビューで紹介してくれていた。

 

Palau's Remengesau Jr comes under fire for marine sanctuary policy

http://www.abc.net.au/news/2016-08-23/palau's-remengesau-jr-comes-under-fire-for-marine/7776102

 

レメンゲサウ大統領を攻撃するのはベルズ法務大臣だけでなく、サンドラ女史も同様だ。

まず、レメンゲサウ大統領が義母に正規の手続きを経ないで、海外医療制度を利用させた事を暴露された。そして海洋保護区の批判だ。魚を守るのか、人を守るのか?特に経済成長が顕著なパラオだが富める人と貧しい人の差がますます顕著になっている。

加えて、レメンゲサウ政権のインフラ等対応のまずさが目立った。上下水道、大量の中国人観光客による社会問題。魚か人間か、という指摘は以前からあった。

 

大規模海洋保護区がしかも商業漁業禁止の保護区が、科学的に何の意味もない事は海洋専門家であれば誰でも知っている。

PEWなどの環境NGOのプロパガンダ活動も浮き彫りになり、これもパラオの人々から多くの照会があったので情報を共有できた。PEWに対するパラオ国内での批判は大きい。しかし地元で大きな声で言えないので、情報が多々当方に回ってくるのだ。

 

上記のインタビュー。4人の候補で優勢なのはスランゲル候補とレメンゲサウ大統領らしいが、スランゲルの方が優勢のようである。レメンゲサウ大統領は厳しい立場であろう。