https://greenfishbluefish.wordpress.com/2013/03/26/marine-protected-areas-mpas-a-re-emerging-issue/
なぜか国務省が仕切る米国の海洋政策。
これで最後の予定だが、話はニュージーランドに飛ぶ。
豪州ビショップ外相が参加したOur Ocean 2016のセッションにNZ外相の名前もあったのだが姿はみえなかった。
その理由が一昨日わかった。
2015年の国連総会でキー首相が高らかにニュージーランドEEZの15%が一気に海洋保護区になる事を宣言した。新たにケルマディック諸島を囲む62万平方キロメーターのEEZを海洋保護区に指定する事を発表したのだ。
ところが、先住民マオリが、そんな事聞いていない、と異議を申し立て現在頓挫している状況である。こんな状況ではNZの外相が、メガ海洋保護区の祝典であるOur Ocean 2016に参加できるわけない。
オバマ大統領が発表した世界最大の海洋保護区ハワイのPapahanaumokuakea Marine National Monumentは、ハワイの先住民の意見に後押しされたようだ。(この先住民リーダーを丸め込んだのがPEW)
同じポリネシアの先住民であるNZマオリは、このPEWを糾弾し、正式に謝罪させている。
ニュージーランドにはパイナップルのドールが奪い取ったハワイと違って、ワイタンギ条約という先住民の権利を守る条約が英国女王の間に取り交わされているのだ。
マオリが怒っている理由はPEWの内政干渉だけではない。
ニュージーランドの水産業は先住民マオリの大きな収入源となっているのだ。彼等はキー首相が国連で高らかに宣言したケルマディック諸島海域でも遠洋漁業を行っている。
このマオリが先住民の権利として営む水産業で一番成功しているのがSea Lordという会社。ちょっと調べたら、日本のニッスイが50%、異例措置として株をもっている。多分日本式経営を伝授しているに違いない。
それからヘレン・クラーク首相が退陣したのは、2004年頃、沿岸と大陸棚のマオリの権利を保護できなかったから。人口15%強の先住民マオリだがニュージーランドの政治への影響は大きい。
PEWに丸め込まれたハワイ、パラオ vs PEWと戦うNZマオリ。
そんな構図が見えてきた。
さて、ニュージーランドを調べていたら隣のクック諸島の大型海洋保護区のニュースも目に入ってきた。しかも資源大臣が先月中国の漁業者から賄賂を受領していた事で2年強の牢屋行きは判決されたばかり。名目だけの海洋保護区はキリバスだけではない。
このOur Ocean 2016 もう一回書いて終わりにします!
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http://www.nzherald.co.nz/northern-advocate/news/article.cfm?c_id=1503450&objectid=11709570
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http://www.bbc.com/news/world-asia-34387945?SThisFB
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2015年09月29日
http://www.afpbb.com/articles/-/3061604
“グローバル水産研修” ―ニュージーランド水産業の発展を願う
グローバル CSR はいま 〈第 49 回〉 日本水産㈱ 2011年6月号
https://www.joea.or.jp/wp-content/uploads/pdf/2011_06_csr.pdf