やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオ法執行が見逃す台湾違法操業船?(追記あり)

色々なところから情報が送られて来る。

パラオの法執行機関が大統領から台湾漁船の違法を見つけても見逃すようにという非公式な指示を受けているという。

大統領選の真っ最中だし、この情報にバイアスがかかっている可能性は大きいが一応メモしておきます。

このブログは外務省、水産庁、そして日本の漁業関係者も読んでいただいているようなので。

素人見当ですが、もし大統領の指示が本当であれば可能性として考えられるのが、

1.大統領が賄賂をもらっている。(大統領裁量の台湾政府から出ている10億円かもしれない)

2.捕まえても留置しておく場所や予算がない。

3.捕まえても大統領選最中で対応できない。

4.台湾漁船がパラオ船籍として操業している、もしくはパラオの漁業会社と合弁している。

等々。

メガ海洋保護区ができても、違法操業を見逃すシステムが残れば、海洋資源管理とは関係ない。

何のためのメガ海洋保護区なのか?

少なくとも、世界が注目し、日本がそれなりに対応に動いた。

信託基金は頓挫している模様。それにUNCLOS違反だし。。

これも新たな情報

パラオ海洋保護区の最初の名前は

Palau Marine Sanctuary for Highly Migratory fish/species

だったそうである。完璧UNCLOS無視。というかこれを裏で差配していたPEWの無知が確認できた。

追記

この情報の裏をとろうと、現地メディアに確認した。

メディア「見逃すわけないじゃない。違法操業の罰金は最低でも500,000ドルと昨年決めたばかりよ。」

当方「500,000ドル?! それ犯罪じゃない。違法操業の取締、法執行って相当に複雑なのよ。(ミクロネシア連邦のカツオ漁船拿捕で大分詳しくなりました)記入漏れというケアレスミスから意図的な違法操業までピンキリの世界。それが500,000ドルとい設定は有り得ない。決まりはないが世界の相場は数十万から数百万円程度。もしかして隣のミクロネシア連邦を真似したのでは?日本漁船を証拠もなしに次々と拿捕したスキリング司法長官は更迭されたんですよ。日本とミクロネシアは国交断絶の数歩手前まで行っていたんですよ。今でもその関係は修復中のはず。」

違法操業取締を金儲けと勘違いしている島嶼国。他方メディアは情報収集が何もできていないのである。意図的なのか、怠慢か。