やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオのインターネットギャンブルー日本と英国が引き金?

パラオのインターネットギャンブルをウェッブサーチしても余り情報は出てこない。

パラオ金融監査局からの非公式協力要請も来ているし、オールジャパンでパラオのインフラから安全保障を支援しているので、この闇の奥は気になる。

しかもADBの30億円で施設される通信ケーブルはパラオにブロードバンド環境を整え、福祉教育の面だけでなく、インターネットギャンブルなどあらゆる越境犯罪を加速する可能性も潜んでいる。

 

ふと思い出したのが、博士論文で参照した、アンソニー・フォッセン博士のペーパーだ。

"OFFSHORE GAMBLING IN PACIFIC ISLANDS TAX HAVENS" by Anthony B. van Fossen,

Grifith University, Sept./Dec. 2003

 

当方が読んだ箇所はバヌアツの部分で、パラオは読んだが記憶になかった。

 

始まりは2000年8月、ナカムラ大統領時代に日本のオンラインパチンコサービスと手を組んだものだった。

そして同年10月に地元ビジネスマンで政治家でもあるアラン・シード氏がパラゴン国際投資会社と手を組んだ。

このパラゴン国際投資会社、英領バージン諸島に登録してある英国の会社で英国人と豪州人で運営している。しかし、2000年12月にはジョンソン・トリビオン氏がパラゴンの副会長に就任している。

トリビオン氏はナカムラ大統領のアドバイザーであった。

契約ではパラゴンは利益の4%を税金と納める以外に毎年2.5ミリオン米ドル、約2.5億円をパラオ政府に支払う予定であったが2002年には125,000米ドルのみ。

アラン・シード氏は政界から離れ、現在はMicronesia Investment and Development Corporation (MIDCORP) の社長のようである。

https://pw.linkedin.com/in/alan-seid-2529843

 

2003年レメンゲサウ政権でこのギャンブル法を国民投票にかけ否決されたはずなのだが、インターネットギャンブルの項目は現在も生きている、ということか。

ここら辺はしっかり調べた方がよい。

 

もう一つきになるのが、パラオのトップドメイン.PWを管理しているのが、アラン・シード氏の会社(MIDCORP)のようなのだ。

国トップドメインを私企業が運営している事を、政府や国民はどれだけ認識しているのか?

11月に就任される日本大使は旧郵政省、アジア太平洋テレコミュニティ事務局長経験者の山田俊之氏である。ここら辺をしっかり押さえて欲しい。彼を事務局長にしたのは、私なのだ。これは次回書きます。