友人には言えないが、実はロスアンゼルスに良い印象を持っていなかった。
あまり来たくなかったのである。
私のロスアンゼルスの印象はシュテファン ツヴァイクの「人類の星の時間」にある「エルドラード(黄金郷)の発見 J.A.ズーター、カリフォルニア 一八四八年一月」。
ゴールドラッシュを巡る無法行為でズーター一族が殺されたり自殺したりする、という恐ろしい話だ。
そしてたまたま飛行機の中で観た映画「チャイナタウン」。
ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイが出演する。こちらは1930年代が舞台だがロサンゼルスの水道利権を巡る巨大な陰謀と愛憎半ばする異常な過去。これも無法で倫理のないロスアンゼルスの印象を私に植え付けた。
今回たった一週間のロスアンゼルスの滞在だったが、「無法地帯」というイメージはハリウッドのスキャンダル(デカプリオの環境保護の美名の下で行われる租税回避活動も)や違法移民の話を聞くとまだまだあるように思う。
Sanctuary Cityというのが米国にあるらしいが、環境保護区かと思ったら違法移民受入可の地域の事らしい。ここロスアンゼルスもSanctualry Cityだ。すぐ隣のメキシコからの違法移民は多い。しかし、違法である事で安い労働力として利用できている面があるのかもしれない。ここは想像である。
Map: Sanctuary Cities, Counties, and States
Sanctuary Cities Continue to Obstruct Enforcement, Threaten Public Safety
By Bryan Griffith, Jessica Vaughan January 2016
http://cis.org/Sanctuary-Cities-Map
タクシーの運転手さんは、違法移民が麻薬や殺人犯などの犯罪を持ち込む事を懸念していた。普通の市民も殺されてしまう、と。
違法移民が発生する背景には需要と供給があるのだろう。
需要は広大なカリフォルニアの農業地帯の労働者とハリウッドエンタメを巡る闇の業務かもしれない。
供給側は、メキシコや南米の貧困なのではないだろうか?
ロスアンゼルスのイメージは以前にも増して暗いものになってしまった。
これも友人には言えない。