やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ハイエンド・ハイバリューの観光を目指して

4期目となったパラオのレメンゲサウ大統領が新たな観光政策を提案した。

2、3年前から急増した中国本土からの観光客によりパラオの観光収入はGDPの85%近くを占める結果に。

しかし、急な中国人観光客は小さな島社会の秩序を一変させてしまった。

不動産が99年リースで借り上げられ、今まで賃貸していた島民が立ち退く事に。中国人観光客のマナーも小さな島社会では問題となった。

何よりもこれらの観光客は格安ツアーに参加しており、地元の産業にあまりお金を落とさない。

ハイエンド、即ちお金を地元に落とす観光は数年前から提案されていたが、いよいよ大統領が法案として観光客の数を減らし、その質を上げる、即ち”ハイエンド・ハイバリュー”観光政策を打ち出すようだ。

5スターホテルのみ許可し、さらにホテル自ら水道、電気、道路などのインフラを整備すれば税を優遇する、という法律。政権発足後100日以内に可決したい、とレメンゲサウ大統領は意気込みを示す。

"Palau tourism aims for five-star resorts only"

From Dateline Pacific, 24 January 2017

http://www.radionz.co.nz/international/programmes/datelinepacific/audio/201830410/palau-tourism-aims-for-five-star-resorts-only