やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオの海を守る米沿岸警備隊

グアムの米国沿岸警備隊が保有するワシントンがパラオと豪州が実施する2週間の海上監視活動に参加した、というニュース。オペレーションKaukledm。

(追記:aさん、コメントありがとうございます。修正しました。煙管ー>沿岸)

 

Washington returns from patrolling Palau EEZ

By Press Release | Posted on Jan 30 2017

http://www.saipantribune.com/index.php/washington-returns-patrolling-palau-eez/

 

 

2週間で5つの違法操業漁具を引き上げ、麻薬対策や離島の患者搬送なども行った。

このパラオ・米・豪の監視オペレーション、現場を知らなければスゴイな、と思うであろう。

 

米豪の努力は認めるものの広大な太平洋を守るには、砂漠の一滴の水のような努力なのだ。

勿論その効果を否定するわけではない。

グアムの米沿岸警備隊はたった3名。これでグアム、マリアナ諸島、ミクロネシアとパラオを守るのだ。実際の救援活動は日本にいる米軍が出て来る事が多い。

 

 

今回オペレーションに参加したワシントン、船の事はよくわかりませんが約30メーターで165トンの船。2週間で監視したのはパラオの60万平方キロメートルのEEZの10%でしかない。

 

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<米国沿岸警備隊グアムの情報>

https://www.uscg.mil/d14/cgcWashington/

https://www.uscg.mil/d14/cgcWashington/information.asp

https://www.uscg.mil/d14/sectGuam/

 

米豪が自分たちの裏庭、と認識する太平洋。しかしその実態は目を覆わんばかり。

沿岸警備隊も豪州海軍も現場配置が数人という中の命がけの仕事をしているのだ。精神的にも相当なプレッシャーのはずだ。

2008年、ミクロネシア海上保安事業を財団が立ち上げる時、日本にその役割があるのか?日本にその責任があるのか?悩んだが、この米豪の実態を知った時「日本が出て行かなければならない。」と確信した。

 

次回は2018年の島サミットに向けて、年間20億円でできる太平洋の海洋安全保障支援を書いてみたい。