昨日上げたパラオとシーシェパードの件は多くのアクセスと反応をいただいた。
パラオ法務省の知り合い等々に「シーシェパードってどんな組織か知ってるの?」と聞いたら「知らない。資料送れ。」との回答。
英語で色々探したが、旧知の豪州安全保障専門家、ベルギン博士が昨年11月The Australianにシーシェパードを阻止せよという強気の記事を書いているのを見つけた。
Close ports to Sea Shepherd or risk sharing guilt for its vigilantism
Originally published: The Australian. 23 November 2016
非常に良く書けている内容だと思うのでここで共有させていただきたい。
シーシェパードや海洋問題は「対日本」という図式にしてはいけないのだ、と私は常々考えている。
ベルギン博士の、豪州の良識に感謝したい。
以下要点をまとめる。
ーシーシェパードが12ミリオンドル(多分豪ドル)かけた新しい船で南太平洋に到着した。
ー彼らは非政府の戦闘組織で、武力行使でvigilantism(自警主義)をしようとしている。
ーこの海賊行為は個人的というより、公的な目的に近い。
ーICJの判決は環境保護活動家に勝利をもたらしたが、判決は商業捕鯨を禁止したに内容ではないし、日本の調査捕鯨を禁止した内容でもない。日本には科学的調査捕鯨をする道が開かれている。
ー豪州NZオランダ米国政府は環境グループの暴力活動(人命を奪う、怪我を負わせる、海洋環境破壊につながる)に非難声明を出している。
ーこの船が豪州を基点に南太平洋に配置されることはターンブル政権にマイナスとなる。
ーこの新しい船の資金源はオランダのくじ(Dutch national postcode lottery)である。
ー南極条約は加盟国に国際紛争になる行為を禁止しており、豪州もオランダも加盟国である。
ーどの国も外からの船の寄港を拒否する事ができる。ちょうど20年前に豪州が日本のマグロ漁船にしたように。
ー豪州はシーシェパードの寄港を許可すべきでない。それは人命の問題だけでなく、環境破壊にもつながるからだ。