やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トンガ王国の民主主義と報道の自由

民主主義の道を進むトンガ王国だが、民間出身の首相が政府を支援しない公営放送局を非難し、閉鎖を指示したという。(実際に閉鎖される事はないであろうがとのこと)このポヒヴァ首相、権力を握る前は自らが表現の自由を讃え、王室に厳しいコメント出していた。

トンガの民主主義、どこへ向かうのであろうか?

Tongan PM wants public broadcaster closed for not supporting his government

http://www.abc.net.au/news/2017-03-13/tongan-pm-wants-public-broadcaster-closed-for-not/8350258?pfmredir=sm

10年以上前、ツポウ5世との会話が頭をよぎる。

オークランドの寿司屋での非公式な会話だ。

私「民主主義は進めるんですか?」と恐る恐る伺った。

ツポウ5世「進める。トンガ王室を日本の皇室のようにする。でもね、民主主義を進めるには社会がある程度準備されていなければならない。」

正確には覚えていないがそんな内容で、強く印象に残っている。このすぐ後ツポウ5世は王位につき、5年強の在任期間の後亡くなられた。目の前で進む民主化をどのように観ておられたのであろうか?

ところで現副首相は知り合いである。首相がメディアから槍玉に挙げられている様子を想像すると同情もしてまう。

トンガも日本の支援が必要では?日本トンガ友好協定、が必要。ニュージーランドだけでは支援しきれないのではないだろうか?

太平洋島嶼国でいち早く、長年の台湾との関係を切って中国の支援を受けたのはトンガ王国、ツポウ5世であった。誰も、どの国も限られた予算でインフラ整備を申し出るところはなかったそうだ。

中国を選ばせたのはトンガではなく、日本始め先進国だったとも言えるのではないだろうか?