同志社大学博士後期の入試での面接。
博論の理論枠組みに現代国際法で自明となっている「自決権」self-determinationを取り上げたいと計画書に書いた。面接官からその点を質問された。数千、数万から数十万の人口を抱える小島嶼国の現実。即ち麻薬、ギャンブル、タックスヘイブンまでにも手を出しているのが現状、と話したところちょっと驚かれたようだった。
そうしたら、サモア、パラオの、麻薬、ギャンブル、タックスヘイブン関連ニュースがSNSから流れていた。
<サモアのカジノ>
2014年の9月に解禁となったサモアのカジノ。現在は法律で海外のパスポートを持っている人だけが遊べる仕組みだ。私はたまたま解禁日翌々日に開催されたSIDSの会議に参加するためサモアにいて、ホテルにあったカジノにポケットマネー3千円位を握って潜入してみた。
この度サモア議会で、サモア人もカジノに入れるよう提案があったようだがTuilaepa Sailele Malielegaoi首相が否認したとのこと。
Samoa PM rejects proposed change to gambling law
14 March 2017
<パラオのマリファナ>
現在マリファナはパラオで禁止となっているが、寛容が先に立ち、皆が簡単にレラクゼーションとして使用している。2015年にはグアムや米国の影響で薬用マリファナの合法化が議員から提出された。また法執行官はマリファナより強い麻薬による犯罪や他の重犯罪を取り締まる方が優先となる。
パラオでマリファナが出回っている事は以前から聞いていたが、一度ナカムラ大統領からペリリューの子供達ほぼ全員が使用している事を伺った時はかなりショックだった。大人の真似をしているのだろう、と。マリファナはあのペリリュー島で沢山栽培されていると、これも某閣僚から伺った。
Marijuana in Palau: Where It is Illegal But Tolerated
March 14, 2017
<カジノか、海洋保護区か>
これはニュースではなくパラオのFBで今活発に議論されている件だ。
パラオのメガ海洋保護区。80%を商業漁業禁止とするため失う入漁料補填のための別の収入が必要。一つがピューが仕切る信託基金で、もう一つが旅行者から取る環境税。しかし、この環境税は主に現地日本旅行会社グループが反対しペンディングとなっている。即ち中国本土からの格安旅行者は対応できる(どのように?)が、ハイエンドの日本旅行者には大きな負担となり観光業が成り立たない。
環境税が進まないパラオの海洋保護区はその意味を失ってしまう。であればカジノを運営したらどうか?という提案が議員から提出されたそうである。
ここで重要なのは海洋をどのように保護するかという議論は全くないことだ。
メガ海洋保護区、そもそも信託基金設置の金融メカニズムが目的である。キリバスのフェニックス諸島保護区もConservation Internationalという環境NGOが支援して立派な信託基金が設置された。 海洋保護なんて最初から張子の虎、考えてもいない。