やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

伝説の女性飛行士イアハート再燃

今日も早朝からタタタッとカール・シュミットを書いて、午後は安全保障学会の予定が、米国のイエロージャーナリズムに邪魔された結果となっている。

日本語のニュースにもなっているが1937年太平洋で忽然と姿を消した米国の女性飛行士アメリア・イアハートが日本軍の捕虜のなって殺されたという、作り話を支えるような写真が出てきたというのだ。

伝説の女性飛行士イアハート、日本軍の捕虜に? 新たな証拠写真

2017年07月07日

http://www.afpbb.com/articles/-/3134812?pid=19178078

この話は有名でなんとなく知っていたが、米国の旧知政治家からも照会があって、日米関係に亀裂が生じてならん!と思いちょっと調べることとした。

まずは元防衛大学教授の平間洋一博士の論文。

「イヤハート事件の解明状況と問題点」(『水交』通巻第447号、1991年11月)

http://hiramayoihi.com/earhart_taiheiyogakukai.pdf

それから太平洋学会の中島宏氏の論文。

「イヤハートの最後の飛行について : 『A・イヤハートは処刑されたか?』批判」

中島 洋、太平洋学会学会誌、発行年 1984-04-01

http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nelsext&lang=ja&id=http%3A%2F%2Fid.nii.ac.jp%2F1141%2F00001447%2F&naid=110001366545

「イヤハート事件は解決した」

中島 洋、太平洋学会学会誌、発行年 1992-09-01

file:///Users/rieko/Downloads/KJ00001996315%20(1).pdf

単なる行方不明事件が、当時の日米関係もあって日本軍による処刑説が出てきて、これが戦後も日米間の時々の緊張関係に反応するように出てきている、と言う事だ。

そうであれば、なぜ、このタイミングなのか?と言う事だ。今、日米関係に亀裂を入れて喜ぶのは誰か?