やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

メディアの水産庁叩きは馬鹿の一つ覚えか?

クロマグロの記事、相変わらず水産庁叩きばかりだが、昨年の会議の議論を知れば、先週釜山で開催された会議に水産庁のドン、宮原さんが議長じゃなければ合意が得られなかったことがわかるであろう。

 

当然プロフェッショナルジャーナリストは専門家の意見だけでなく資料を読む努力をされているとは思う。前回の、即ち昨年の議事録は確認されたであろうか?これがわからないとなぜ今回妥協点を見出し合意に至ったか理解できないはずなのだ。

 

ここに今までのnorther committeeの議事録がある。

https://www.wcpfc.int/meeting-folders/northern-committee

 

前回、日本案に反対したのは米国と台湾。しかも全く反対の角度からの反対。

米国はそれでは甘い、と。台湾はそれでは厳しすぎる、と。

 

今回の合意は、この両者を抑え込むことに成功した、のだと思う。

 

 

<クロマグロ漁獲枠15%減 漁業者に不満も>

これもバカの一つ覚えのようにメディアが一斉に日本の漁獲枠が合意を超えた、と騒いでいた。国際的に批判晒されている?騒いでいる環境NGOはどれだけ漁業の事を知っているのか?そもそも水産業を知らないメディアは目利きができないはずだ。

多くのメディアは水産業を知らないのだ。そして知らない市民がそのメディアに騙される。イエロージャーナリズムの極地である。日経がやっと冷静な記事を出した。

 

クロマグロ漁獲枠15%減 漁業者に不満も

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H77_Y7A800C1EE8000/

 

それから漁業国の韓国、台湾、中国などのデータを調べてから日本叩きを、水産庁叩きをした方が良い。そもそもこれらの国が信頼できるデータを出しているのか?太平洋島嶼国は北朝鮮の漁船に便宜置籍船を提供しているのだそうだし。。。これは次回。