やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

使われない船?

自分が立ち上げた事業が継続し、発展する姿を見るのは嬉しい。

しかし、良いニュースばかりではない。

パラオに既に供与した小型船が港に停留したままで使われていないのが心配だ、とパラオの閣僚始め数人から囁かれ、息が止まった。

下記のパラオ大統領府のニュースのように、ここにさらに大型の船が供与される。正直心配ではある。

この案件は2008年に立ち上がってから、元国交省審議官の羽生氏を筆頭とした国交省、海保の主導で具体的支援である監視艇の供与が進んだ。この地域をよく知る米豪は船を供与しても島嶼国に管理運営できないと反対したが、少なくとも10年のメンテ、運営支援付きの供与とし、人材育成支援も行われている。

それでも使用されていなのであろうか?

その道のプロの国交省、海保が十分なフィジービリティスタディなしで船舶の供与をした、とは考えにくい。

何某かの対応がされている、もしくはされるのであろう。

もう一点気になったのが、NBKという日本の会社(南洋貿易か?)が数億円もする新たな造船申請を日本財団にせよ、とパラオ政府にもちかけているという話である。本事業のコントラクターかサブコントラクターが新規事業を進めるというのは、ODAではよくある話のようだが、要は使用されるかどうかだ。

この話、書こうかどうか迷ったが、ちょっと嫌な予感がしたので書いておくこととした。

私の、またパラオの閣僚たちの勘違いである事を望む。