近現代史を学ぶ上で必読書、ではないだろうか。 人気のようで延長できず返却期限が来たので、超特急で読んだ。本当はこれも線を引きながら付箋をつけながらじっくり読みたい本である。 そして何よりも歴史を専門としない私などにもわかりやすいように書いてあり、奥は深いのだが読みやすい。
この本の特徴は著者がその巻頭で書いているように、近現代史が日本の視点でしか語られていない事に疑問を持ち、外国の多角的な立場で議論されている事だ。 平川祐弘(東京大名誉教授)氏がレビューを書いている。
https://www.bookbang.jp/review/article/516861
コミンテルの、もしくはスターリンの陰謀。平川氏が上記の書評で指摘する「無謀きわまりないインパール作戦」への別の視点も興味深かった。私には著者福井義高教授の指摘が印象に残った。それが日本の植民を進めた新渡戸の断末魔のような声に響鳴していたからだ。 新渡戸は、日本が欧米に従って国際法を遵守し、植民を進めたにもかかわらず 欧米はそれが気に食わなかったことを嘆いた。
福井氏は(このブログに書けるほど読み込んでいないし記述はうろ覚えだが)日本が欧米のしたたかさや横暴な振る舞いに対応できるほどの国ではなかった事を指摘している。スターリンにもバカにされるほど間抜けな国であったのだ。 福井先生のこの本は第3弾が期待されていると言う。ぜひ書いていただきたい。