やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

中国はどのように海洋法を理解しているのか?

中国が海洋法を独自に理解している、とよく聞く。

一体どのように理解しているのか?伊藤俊幸さんと防衛駐在官の記事があったので拾っておいた。

国際法無視の中国「海洋国土」論(上)米無人探査機「強奪」の意味--伊藤俊幸

2017年01月27日

https://www.huffingtonpost.jp/foresight/china-ocean-land_b_14411838.html

国際法無視の中国「海洋国土」論(下)空母「遼寧」と「砲艦外交」への対応

伊藤俊幸 2017年1月27日

http://www.fsight.jp/articles/-/41949

防衛駐在官の見た中国 (その10)

-中国の海洋国土、公海と公空-

http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-021.html

以下、気になった点。

・中国はEEZを「海洋国土」と理解している。公海という理解がない。

EEZは領海ではないが、沿岸国の「海洋国土」の主要部分であり、「国際水域」ではないと理解している。

・多くの一般的中国国民や人民解放軍将兵が、『海洋国土』の一部であるEEZも領土と全く等しい『国土』であるという誤った概念を持つことも無理ではない。

・「そもそもEEZか大陸棚かどちらかを決めるのは、沿岸国の国力の差による」

EEZの理解がパラオなどの途上国と全く同じレベル(日本の官僚も似ているが)で、主権の範囲がどんどん拡大している。ここに疑義がある、と日本の首相官邸の報告書にもあるように、ここで日本はじめ「人類の共同財産」という概念を理解している国は積極的に話し合いを進めるべきなのであろう。少なくともパラオキリバスのメガ海洋保護区を進めるビリオネラーやセレブと同じレベルになっては、アカン、でしょう。