やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

お金持ちやセレブは環境問題のプロか?

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 世界のセレブとビリオネラー。詐欺集団にしか見えません!

 

海洋問題を積極的に発信しているので、多くの質問をいただく。

下記はなんでロックフェラーが日本の漁業に口を出すのか?と質問をいただいて知った記事である。

 

東京五輪に向けて問われる「食料調達」の深刻な現実

https://forbesjapan.com/articles/detail/18592

 

記事ではロックフェラー一族の第4代当主に選ばれたディビッド・ロックフェラーJr.の言葉を紹介している。

 

「日本人はこんなに魚が好きなのになんで資源を大切にしないのだろう」

 

 

そしてこの記事を書いた井植美奈子さんは安倍総理夫人のご友人なんだそうである。よってこの記事にはセレブの名前が並ぶ、が海洋専門家の名前はない。またイエロージャーナリズムの情報はどんどん出て来るが、海洋専門の情報はない。この井植美奈子さんのご経歴をウェブ検索しても海洋に関するバックグラウンドが確認できない。

 

もう一件、井植美奈子さんの記事があったので読んで見た。

 

「ケネディ前大使が語った「ゴミは中国、漁業は日本よ」の意味とは」

2017/10/12

 

この記事も同様な内容でまたセレブだ。専門情報が何も議論、紹介されていない。

「ここで注目されているのは、世界のセレブたちの動きだ。

レオナルド・ディカプリオは海洋環境に特化した財団Oceans 5に加盟した。イギリスのチャールズ皇太子やモナコのアルベール皇子は海洋経済発展への提言し、欧米ではすでに政府主導の海洋環境保護への取り組みやNGO、財団による活発な活動が展開されている。」

 

 

ここに書かれているOcean5。非常に怪しいセレブ、ビリオネラー組織だ。実はパラオ政府からこの件で相談を受けているところである。

Ocean5 ー 日本とも事業をしているとウェブにあるが日本のカウンターパートのGR Japanでは「欧米の取り組みを紹介する」だけでGR Japan自身が専門性があるように見えない。

http://oceans5.org/project/combatting-iuu-fishing-in-japan/

 

 

しかしこういう記事をそのまま信じてしまう一般読者を私は笑えない。今では詐欺集団にしか見えないセレブ、ビリオネラーの集団Ocean5の面々を、4、5年前まで、即ち魚の事を知らなかった時、なんとなく「すごい!」と思って見ていたのだ。

 

 

このブログを書くためにウェブサーチして見つけた情報。

このロックフェラーの組織に日本財団が4千万円以上助成している事だ。大丈夫だろうか?

 

■実施事業

2016

「ブルーシーフードガイド」海洋環境保護教育プログラムの普及活動と魚食教育(海でつながる) ¥16,400,000

2016

海洋環境に関する日米国際シンポジウム

¥15,000,000

2015

「ブルーシーフードガイド」海洋環境保護教育プログラムの普及活動と魚食教育(海の日サポート)

¥9,690,000

 

合計 ¥41,090,000

 

 

<関連ブログ>

セレブリティ外交と海洋法

 

海洋法とセレブリティ・ディプロマシー

 

Global Ocean is Swarming with Money 海洋に群がる大金