やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

フランス憲法から「人種」が削除された意味

安倍総理が出席できなかったパリ祭軍事パレード。

ニュースを追っている中で見つけたのがフランス憲法から「人種」という言葉が削除された事だ。

この意味は大きいし、国際法にも影響があるのではないか?条約に「人種」は山ほど出てくる。

ザクッとウェブ上で検索した結果:

国際連合憲章 4件

自由権規約 5件

社会権規約 2件

ジェノサイド 条約 1件

世界人権宣言 1件

日本国憲法 2件

アメリカ合衆国憲法 0件

 

ところで「人種」という概念自体が差別的発想である事を一般の人はあまり知らないのではか?人種、raceを作り出した背景の一つが西洋の植民支配である。現在科学を学ぶものは人種なんて言葉は使わない。

2002年10月10日 竹沢泰子『人種概念の普遍性を問う』が参考になる。

「皮膚の色や目の色などが地域によって違うのは、環境による作用などによるもので、ヒトの身体的な多様性を理解する上でも重要です。けれどもそのような特徴をもとに境界線を引いて人間をいくつかの集団に分類するという人種の概念は、今日生物学的に有効ではないという見方が一般的です。」

人種とは何か考える

<関連記事>「フランスではフランソワ・オランド前大統領が2012年の選挙戦で、歴史書から「人種」という言葉を追放すると公約し、「異なる人種など存在しない」「(フランス)共和国に(人種という言葉の)存在する余地はない」と述べていた。」

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