やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

チャイナマネーによるトンガ王室の腐敗と衛星ジビネス

ニュージーランドのジャーナリスト、Michael Fieldのツイッターに現れた速報である。

トンガサット経営者のトンガの女王が、中国政府からトンガ政府の供与された資金約50億円の半分25億円を自分の個人の会社であるトンガサット再建のために違法に受け取った、という事件。

これをポヒヴァ首相が訴え、Lord Chief Justice が14日以内に返還するよう求めた。

裏をとるためニュースを探したが見つからない。過去の関連記事をコピーしておく。

 

http://www.mendosa.com/tongasat.html

matangitonga.to

トンガ王室といえば日本の皇室のような存在。但しその歴史は100年少しではあるが。日本で皇室のメンバーを訴えるような話である。しかも母系社会のトンガは女性が、長女の権力が絶対だ。今回訴えられたトンガサットオーナーの princess salote pilolevu tuita は現国王のお姉さまで、ある意味王様より権力がある。雅子妃殿下をホストされたのもこの女王である。

今回ニュースに出ないのはそのような文化的背景を考慮して、なのかもしれない。

Michael Field氏は中国のお金がトンガ王室を太平洋で一番金持ちの腐敗した存在にした、と厳しい口調である。確かにそう思う。

国家平等原則で10万人の国家であっても王室は王室である。戴冠式国葬は日本の皇太子殿下が参列された。しかし10万人の国家だと王室の維持は困難である。よって手を差し伸べる人がいれば喜んで受けるであろう。いや、受けざるを得ないであろう。

日本はバブルの頃、西武の堤さんや笹川良一氏が手を差し伸べた。腐敗させたかどうかは知らない。多分させていない。笹川平和財団の方は91年からは私が窓口だったので腐敗・不正の動きは押さえました。(ありました。腐敗・不正の動き。いつか書きましょう。)

トンガサットのことは次回。実はこのトンガサットこそ、トンガ王国が台湾から中国に乗り換えた理由、と言われている。衛星ビジネスが引き起こしたトンガ王室スキャンダル、である。