やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

安倍総理国連総会演説で再びオーストロネシア語族のインド太平洋拡散を語る

第73回国連総会の安倍総理演説。前のブログでテリトリアリストと批判したが,それ以上に思考が止まってしまったのが第8回島サミットでも述べられたオーストロネシア語族のインド太平洋拡散が語られたいた事だ。

勿論、嬉しいとかそういうことを超えた衝撃であった。

本当に笹川平和財団を辞めてよかった。財団職員、国交省、海保の出向者から受けたハラスメントや暴力は忘れない。笹川陽平氏からはおまえの言う事なんか信用できるか、と言われたのだ。それだけではない。お前の博論は財団が助成金を出したからだとまで言われたのだ。(オタゴ大学に確認したがそんな事実はない、とのこと)

それを安倍総理が演説に盛り込んでいる。

 

太平洋とインド洋、2つの海の交わりに、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国があります。かつて両洋を越え遠くアフリカに物産を伝えたのは、今で言う太平洋島しょ国の先達(せんだつ)でした。

www.kantei.go.jp

The countries of ASEAN lie at the "confluence of the two seas" -- the Pacific and Indian Oceans. And it was the forerunners living in what we now call the Pacific island countries who in eras long past crossed these two oceans to introduce products to faraway eastern Africa.

www.mofa.go.jp

ところで、安倍総理にもう一点伝えたい史実がある。

オーストロネシア語族は東アフリカに物産を伝えただけでなく、南米まで航海し南米原産の薩摩芋を持って帰ってきたのだ。この薩摩芋によって食生活が、人口、社会構造が大きく変わった.薩摩芋はそれまで食していたタロイモに比べ高地でも育ち、生育も早い。そして何よりも豚が生のまま食べる事ができるのだ。勿論栄養価も高い。日本よりも数百年早く、太平洋島嶼に導入されている。

これぞ「自由で開かれたインド太平洋!」