やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

なぜテロリストはニュージーランドを選んだのか?

2017年のこのニュース。昨晩偶然見つけた。

www.youtube.com

 なぜテロリストはわざわざオーストラリアからニュージーランドに来たのか?
 アーダーン首相が、オーストラリアが拒む難民を積極的い受け入れて来たのだ。しかし、ニュースで豪州のポーリン・ハンセン議員が言うように、NZ豪州間の協定で人の移動は自由なため、結局そのニュージーランドが受け入れた難民はオーストラリアへ行く。オーストラリアには仕事があるのだ。

 だから犯人はわざわざニュージーランドに来たのだ。ニュージーランドを選んだのである。イスラム難民600人も受け入れている人口10万のダニーデンを選んだのだ。白人至上主義者はイスラムを標的にしていた。

 白人であるアーダーン首相が招いたイスラム難民を、同じ白人のオーストラリア人タラントが殺しに来たのだ。

 アーダーン首相とオーストラリアの白人テロリストタラントは全く両極端ではあるが、異なった文化に異常な、もしくは無理解な反応を示す共通点が見えてしまう。事件後突然ヒジャーブをかぶり、イスラムの言葉をスピーチに入れ込むパフォーマンス。そこに彼女の偽善と白人至上主義を私は感じてしまう。

 イスラム文化は「郷に入れば郷に従え」とは違う文化だ。異教徒であるだけで殺すことが正当化される教義の解釈を持つ民だ。そのような民を受け入れる覚悟はあったのか?

 白人至上主義は歴史を見ればわかること。ニュージーランドは先住民のマオリを半分「しか」殺していないが(それもほとんどは白人が持ち込んだ伝染病らしい)オーストラリアは先住民アボリジニを90%前後虐殺、狩の対象として殺して来たのである。悪名高い白豪主義は日本人移民を拒絶する法律であった。