MI6とファーウェイの件でTW友達になったJohn Hemmings博士が紹介していた報告書である。出版日が香港のデモと重なっているのは偶然とは思えない。
「着々と自由を侵害される香港」という日本語訳で良いだろうか?
香港の事は何も知らない。2、3度観光で行った事はある。デモの最中に国際法で関与できる可能性を探っていたら「英中共同宣言」を見つけた。これを根拠にメイ首相は声明を出している。
ヘンリージャクソン研究所アジア部長のJohn Hemmings博士とEvan FowlerというHong Kong Free Pressの共同創設者が編集したこの報告書を一部読んでみた。
Evan Fowler John Hemmings
香港マターは英国マターなのだ。返還してもうなんの責任もありません、ではないのだ。香港150年の植民の歴史はまさに英国の歴史でもある。
報告書は香港からの視点と英国からの視点の2部で構成されている。
Joseph Lian教授
香港からの視点の最初の文章がJoseph Lian という現在山梨大学で教授をされている方のものである。Lian氏は香港で雑誌編集をされていた。日本に来た理由はどこかに書かれているのかもしれない。以下本文からいくつか引用する。
・香港が中国に返還され自由、法、良き統治など徐々に失われていった。それは英国の植民の遺産だけではなく、中国の共産主義から逃げてきた難民たちのものである。
・1997年の返還以来、百万人(人口の15%)に達する中国本土からの移民による影響も大きい。
・これに加え行政トップの度重なる不正、それを擁護する司法トップ。
・一国二制度は無視され、香港の中国化が、教育の面で進む。
・香港が中国と一体となった時期があった。2008年の四川大地震と北京オリンピックだ。しかし地震のために寄付した1兆円の内7千億円は使途不明。オリンピックのために毒入りベビーミルクの件が公表されず、クレームをあげた市民は罰を受ける事に。
・その中で中国にノスタルジーのない学生運動が2016年に展開するも、関係者は牢屋に入れられるか海外に逃亡している状況。
今回の香港でもデモ、こういった背景を持って開始したのである。
私が気になるのは、英国の植民を離れ、中国への愛国心を持った人々が1997年の時点で香港にいた事だ。かれらはどのようにそういった信条を持つようになったのか?1989年の天安門の後でも彼らは中国への返還を望んでいたのか?