やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて30年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

作家の嘘 

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太平洋島嶼国のことを、作家の百田さんが時々虎8で話す。先日はバヌアツの違法漁船取締りの件で「小国ですら中国の違法業線を云々」とやっていた。多分日本語になったニュースを読んだだけだ。英語で次々と出てくる関連ニュースを追い、バヌアツの社会制度や歴史を専門としている自分はには大嘘をばら撒いているようにしか見えず、怒りがこみ上げてきた。

この認識の間違いが、太平洋島嶼国を不幸にしているのである。子供たちを麻薬漬けにし、マネロンを蔓延させ、世界の越境犯罪を呼び込む楽園神話を強固にさせている。

しかし、パンピーは、トーシロは専門家ではなく、人気作家の情報を信じたいのだ。なぜか?その説明が自分自身を納得させるからである。

 

このパンピーの経験を自分自身がした。

ドイツのインド太平洋政策発表を機会にドイツとインド太平洋の関係を、またそのドイツ自身を改めて学びたくなって、ウェブサーフィンで、岡山大学の飯田洋介先生の『 グローバル・ヒストリーとしての独仏戦争』を見つけた。その前に『ビスマルク』を読ませていただいた。

私も博論を(なんちゃって博論ではありません。命がけで書きました)書いた身分なのでわかる。先行研究がしっかりしており安心して読めるのだ。しかもそれをパンピー向けにわかりやすく書いている。

専門外の私は「ああ、ビスマルクがドイツ皇帝宣誓式をベルサイユ宮殿でやらなければなあ」と思い、そう言えばそんなことを誰かが書いていただろうか?と呟いたら、「作家」川口 マーン 惠美氏の「ドイツ人が封印した過去「ドイツ帝国」とはどんな時代だったのか」という記事を紹介いただいた。ここにパンピーの私が「期待する答え」が書いてあり、やっぱりと私は満足したのだ。

<ドイツ諸侯は、わざわざ敗色の色濃い敵地フランスに出向いて、彼らの宮殿でドイツ帝国建国の式典を、これ見よがしに催したのである。このやり方が、フランス人の神経を逆撫でしたことは言うまでもない。>

 

恐多いことに飯田先生から早速ご指摘をいただいた。

<それは結果論であり、ビスマルクにとってはそんなことを考える余裕はなく、他のもっと深刻な理由から、パリ陥落と停戦を待たずに皇帝即位宣言式をそこで行いました。それについては恐れ入りますが拙著『ビスマルク』151頁を参照していただけると幸いです。どうか宜しくお願いします。>

是非、私と同じパンピーの皆さんは飯田先生の『ビスマルク』を手に取って読んでいただきたい。私は手に取って読んだのに忘れていたので再読します。

 

「作家」川口 マーン 惠美氏の「ドイツ人が封印した過去「ドイツ帝国」とはどんな時代だったのか」は飯田先生にとってはツッコミどころ満載の記事ような気がしてきた。