やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

パラオEEZにおける日本海軍軍事活動と「妥当な考慮」

外国のEEZにおける軍事活動で重要なのが「妥当な考慮」Due Regard だ。関連論文をいくつか読んだのでまとめようと思いつつ棚上げ状態。

この9月、かつては日本統治領であったパラオのEEZに日本海軍の護衛艦かがを含む艦船3隻が軍事活動を、戦後初めて展開した。

しかもパラオ柔道の始祖である高野さんと私が10年ほど前から支援している「パラオ柔道キッズ支援」の道着100着近くを積み込んで。

しかもパラオ海洋警察との合同演習も実施。

しかも他の訪問国ではなかった訪問地上陸とウィップス大統領との会談の席まで設けられた。

UNCLOSにある「妥当な考慮」は、あらゆる面から両国が努力した結果となった。

しかも、パラオが安全保障の協定を締結する米軍との共同演習も・・・ なかったのだ。なぜ?

日本海軍がパラオEEZに入る背景にあるのは、私が2008年から立ち上げたミクロネシア海洋安全保障事業の動線がある。こには恩師、渡辺昭夫先生の日米同盟のあり方を議論した樋口レポートの哲学がある。

なぜ、米軍との交流がないのか!と知り合いの防衛省関係者に怒りをぶつけたら「まあまあ、米軍も忙しいし、海上自衛隊も島嶼国訪問は初めてなので来年の課題です。」と。

私に一言言ってくれれば動いたのに。米軍がパラオに入る動線も私が作ったのだ。

と思っている時に下記の米軍のFBを見つけた。日本海軍こんなにたくさんパラオに上陸していたの?池内出海将他数名と想像していたが10名はいる。それに米軍とは名刺交換だけのようだが、それでも何もしないよりよい。