やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Tiny Pacific Island Nations Take on the United States, Japan, Europe, and Pirates

"Tiny Pacific Island Nations Take on the United States, Japan, Europe, and Pirates"

という記事がSlate - Slate.com というニュースメディアに掲載された。

Tiny_Pacific_Island_Nations_Take_on_the_United_States_Japan_E-1.pdf

先般全EEZを商業禁漁区に制定する計画を発表したパラオのレメンゲサウ大統領の取材を中心に展開した記事である。

豊富なマグロ資源を保有する太平洋島嶼国は早くからその漁業資源管理に努力をしてきた。

詳細はミネルヴァ書房世界政治叢書『ラテンアメリカオセアニア』の第9章をご参照ください。

http://www.minervashobo.co.jp/book/b94041.html

当初の太平洋の漁業資源管理は、違法操業への対処、というより、この記事のタイトルに上げられた米国、日本、ヨーロッパの漁業資源獲得に対する小国の戦いだった。ここに冷戦構造と独立運動、そして地域主義が絡む。

漁業資源を梃に太平洋島嶼国がdeclonizationを進めてきた、と言っていいであろう。

現在進行中のミクロネシアの海洋安全保障事業は小さな島々のdecolonizationの過程でもある。

そして先進国が「コモンズの悲劇」をいかに回避し、協力するか、と言った挑戦でもある、と考えている。