やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第4回フランスオセアニアサミット

久しぶりのフランスのニュースで。 太平洋で、海洋問題といえば、広大なEEZを領有するフランスは無視できない。 フランスの領海+EEZは11 035 000㎢。アメリカに次ぐ世界第2位の広さ。 ヨーロッパにあるフランスが領有する領海+EEZは334 604㎢のみ。 フラ…

パラオの3つのニュース

パラオも色々と動いている。麻薬問題、謎のフェリー、そして中国人のニュースを紹介します。 まずは昨年末突如現れた謎のフェリーThe Xian Ni 。 フィリピンのサルベージ会社が先週やっと引き上げたようである。 なぜか大統領府のFBには写真だけで、記事がな…

バヌアツの政変劇とチャイナマネー

今年5月日本で開催された「島と海のネット」会議に招聘した、バヌアツのラルフ•レゲンバヌ国土大臣。帰国した彼を待っていたのは不信任案を突きつけた野党による政権剥奪であった。 バヌアツ政府の改革を進めるレゲンバヌ国土大臣。 彼の不在中にキルマン外…

号外 ミクロネシア連邦議会米国との自由連合破棄を決議

2015年11月19日の、ミクロネシア議会で、現在米国と締結されている自由連合協定を2018年までに破棄することが決議され、大統領の了承待ちとなった。 決議内容は下記の通り。 自由連合は米国のミクロネシア連邦に対するチャリティではない。米国は安全保障で…

太平洋の楽園の島とヤクザ

今話題の「ツイッター組長」 当方もフォローさせていただいている。 「ツイッター組長」は留学経験もあり、英語も得意。世界の金融、経済、政治への視点も興味深い。 無視されるであろうと思いつつ質問してみた。 「外国人にどのように日本のヤクザを説明し…

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けて-トンガの海洋安全保障能力

いよいよ目の前に迫ってきた日本海洋政策学会第7回年次大会。 「議論が雑で、視点が定まっていない」 というアドバイスをいただいているのでトンガの海洋安全保障の件は触れないかもしれないが、2つのペーパーを読んだのでメモしておきたい。 一つは、立命…

あなたの島のために。FYI: FOR YOUR ISLAND, WHO?

パラオ地元紙Tia Belauにあった、クアルテイ医師による気になるコメンタリーである。 FYI: FOR YOUR ISLAND, WHO? By Stevenson Kuartei, MD Words from Orakidorm, Tia Belau 12 Nov 2015 (全文は下記に) あなたの島のために。で始まる3つのショートコメ…

パラオの中国人

パラオの中国人問題は一向に解決されないどころか、悪化の一途を辿っている様子である。 下記のパラオ地元紙に掲載されたコメントはショックだった。 PALAUANS STAY OUT AND KEEP OUT (2015) By Santy Asanuma Ngarker Olbechel, Tia Belau 11 Nov 2015 (全…

2015年の総括(2)ー 近現代史を学ぶ

2015年の一年の計を何にしたか忘れてしまったが、新年の天皇陛下のご感想(新年に当たり)を拝読し、2014年に続き近現代史を学んで行こうと思ったのは覚えている。 幸運な事に、民主党の近現代史研究会というのを近所の方に教えていただき、筒井清忠…

中国政府サモアに海洋研究キャンパスを支援

サモアと中国の国交40周年を記念し、中国政府がサモアの国立大学に33ミリオンタラ、約15億円の「 School of Maritime Training & Marine Research Campus 」を創設したとのニュース。 "China & Samoa celebrate 40 years with the opening of the $33m M…

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けてーパラオ、キリバス、日本のEEZ

以前書いたパラオと日本のEEZを人口、GDP、海洋警察数で比較した作業をキリバスも応用してみた。 案の定、パラオは太平洋島嶼国の中でもGDPが大きい。人口の約半分はフィリピン人を始めとする外国人労働者で、パラオ人のミリオネラーが結構いる。 それに比べ…

(残り僅かとなった)オバマ政権違法操業取締法令可決

2015年11月5日付 ”Illegal, Unreported, and Unregulated Fishing Enforcement Act of 2015”が可決されたというNOAA の漁業局のニュース。 ”United States achieves major milestone in efforts to combat illegal fishing” http://www.nmfs.noaa.gov…

エビ捨てモロジー 認識論

Epistemology 認識論 は 「エビ捨てモロジー」 と覚えればいいんだと「発見」した。 KJ法の論文を読みながらふと思い出した件である。 Peirceの認識論知ってから「当方の憶測ですが、」とか「当方の勘ですが、」と正直に書く様にしている。 事実だけで報告で…

日本海洋政策学会の第7回年次大会に向けて-マクミランにフルボッコされるウィルソン

日本海洋政策学会の第7回年次大会で発表させていただく内容は、2008年から現場で動かしてきた「ミクロネシア海洋安全保障事業」を中心。 よって、学術的な発表ではなく、実務として行ってきた8年間のまとめである。 しかし、最後に学術的研究の可能性を提案…