やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

スタインウェイとジョンと笹川良一

ある方からのご好意で、スタインウェイを暫く預かる事になった。 幻のモデルZ。ジョンレノンがあの名曲「イマジン」を弾いていたピアノである。 早速「イマジン」を弾かなきゃ、とウェッブで楽譜探し。歌詞を見つけてちょっと意外だった。 「世界は一家、人…

FSS Unity officially joins FSM Maritime Surveillance fleet - FSM PRESS RELEASE

ミクロネシア連邦政府からのプレスリリース。 http://www.fsmpio.fm/RELEASES/2012/august_12/08_06_12.html この事業がミクロネシア大統領サミットの成果、ミクロネシアの地域協力の努力の成果であることをイティマイ大臣がちゃんと述べている。この地域協…

尖閣諸島とヤップ

第二列島線にある島をあなたは知っていますか? グアムーヤップーパラオ このヤップで今何がおこっているか知っている日本人は私と谷口智彦さんだけのようなのだ。 ヤップ?なにそれ?という方が多いだろうから下記の谷口さんの記事を御読みください。 「ヤ…

CSISの2つのレポート

Press Briefing—Report on U.S. Force Posture in Asia-Pacific from CSIS on Vimeo. 大学に所属しているいくつかの利点のひとつに、専門家の講演会に参加する機会がある事である。それと図書館へのアクセス。 先日ニュージーランド訪問中の北京大学国際関係…

英国ウィリアム王子、キャサリン妃、ツバル訪問。

太平洋に残る大英帝国の面影は今も生きている。 英国のウィリアム王子とキャサリン妃は、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)即位60年を祝う「ダイヤモンド・ジュビリー(Diamond Jubilee)」を記念して、9日間の日程で東南アジアと太平洋地域を訪問してい…

The Banyan Tree Leadership Forum with The Hon. Kurt M. Campbell

youtu.be やっぱり文章で読むより、ビデオで聞く方が説得力がある。アイランドホッピングを2回もしたキャンベル国務次官補。きっと誰よりも太平洋諸島の事に詳しくなっている事だろう。一度、米国が自由連合協定を締結するミクロネシア諸国について議論した…

再び warshipとlawship

2012年8月クック諸島で開催されたPIF総会に出席した米国のクリントン国務長官はロックリア米太平洋軍司令官と沿岸警備隊第14管区司令官チャールズ W・レイ少将を引き連れて参加した。特にレイ司令官の同席の意義。これを理解しているのは米国沿岸警備隊の関…

中国の違法操業と海洋安全保障

先月の8月16日にRSISから発行された報告書を読め、とPACOMの知り合いから情報をいただいた。中国の外洋での違法操業が与える海洋安全保障への弊害についてまとめられている。しかもそれは中国政府の漁業改革の失敗が原因というのだ。 以下、"China’s Evol…

稲村公望さんの復活ー新「日本郵便」経営陣 副会長に

先日「黒潮文明論」をご紹介した稲村さんが、新「日本郵便」経営陣の副会長に就任されるニュースがあった。イエス、天皇に続く稲村さんの復活。復活者は強いぞ。しかも稲村さんは生死の境からも復活しているのでダブル復活者である。 「通信文化新報」 2012…

United States Inspection Vessels for WCPFC Boarding and Inspection Activities

段々軍事オタクになりそうで「怖い」。 以前ご報告した「米国が守る太平洋のお魚」。 yashinominews.hatenablog.com 当方が米国に足を踏み入れた日に59隻が新たに登録申請されていたWCPFCのHSB&I。その船の実態が写真付きで公表されている。下記のpdf 米国…

クリントン国務長官のクック諸島訪問と米国の太平洋の世紀

(良くも悪くも、)米国がアジェンダとする事は世界のアジェンダである。 (良くも悪くも、)米国がアジェンダに取り上げない件は世界のアジェンダではない。 これ、笹川太平洋島嶼国基金の第2代運営委員長にして、当方の師でもある東京大学名誉教授渡辺昭…

災い転じて福と為すーイジメ転じてヒラリー動かす

クック諸島で開催されたPIF総会にPIF史上初めて米国国務長官が出席しただけではなく、米国の太平洋へのエンゲージメントがより明確に、具体的に示された。 その中でも我々が注目すべきは海洋安全保障関連事項である。 2012年8月31日に発表されたU.S. Engage…

宮崎さんのブログ「風の香り」

先日ミクロネシアを訪ねられた日本財団、広報担当の宮崎正さんのブログをご紹介したい。 宮崎さんとは因縁の仲である。ただし下衆の皆さんには言っておきますが愛人でも親戚でもありません。 「島の事について聞きたいのですが。」と電話をいただいたのはも…

中国より脅威なのはーヒラリーとジュリア

第43回太平洋諸島フォーラムが、2012年8月27−31日、クック諸島で開催された。 来るか来ないか、ぎりぎりまで噂されていたヒラリー国務長官が参加した事は1971年に創設されたフォーラム史上、大きな事件である。 1960年代、西サモアを始め、島嶼国の独立の…

属国日本

太平洋で仕事をしていると、日本は戦争に負けたんだ、その負の遺産を未だに背負っている、ということを痛感せざるを得ない。 太平洋の国際地域機関SPC, PIF, FFA, SOPAC, USP, TCSP, SPREP, PIDP, 日本はお金だけ出してどこにもそのメンバーシップはない。 …

『黒潮文明論』稲村公望著 郵研社発行

稲村公望さんとの出会いがなかったら、島の仕事も情報通信の研究も続けていなかった、と思う。下衆の皆さんには言っておくけれど稲村さんとは親戚でも愛人でもありません。 稲村さんは奄美徳之島出身。総務省大臣官房審議官、日本郵政公社常務理事をつとめら…